春夏秋冬代行者 春の舞のあらすじ一覧
秋の代行者・祝月撫子の行方は依然として不明のまま、時間だけが無駄に過ぎていく。10年前の雛菊誘拐を彷彿とさせる賊の蛮行に、代行者や護衛官たちの間に動揺が走るが、具体的な解決策は導き出せていない。さくらは、幼い秋が消えたことで心を崩す雛菊の姿を見て苦悩する。主を失った張本人である秋の代行者護衛官・阿左美竜胆は、失って初めて自らの主である祝月撫子への深い愛を自覚し、喪失感にさいなまされる。そして、愛する人を失う喪失感をすでに経験している冬の代行者・寒椿狼星は、過去から現在へと続く失意の日々を思い返す。そんな中、狼星は撫子を救うため、さくらへ数年ぶりの連絡を入れる。
秋離宮襲撃の報が、四季界隈を震撼させる。冬主従は、それでも春顕現の旅を中止することができない春主従を心配する。狼星と凍蝶、そして雛菊とさくらは、切っても切れぬ繋がりが過去に存在していた。それは、10年前、神話の体現である儀式“四季降ろし”が冬の里で行われる。その儀式は新米の四季の代行者が、季節の祖である冬の代行者の元で暮らすというものだが、従者と共に現れた春の代行者・雛菊に冬の代行者・狼星は一目惚れをしてしまう。2人の縁はここから始まり、代行者同士の距離が近づいていく。一方、護衛官たちもまた、関係を深めていく。
春主従は、衣世での夏離宮襲撃を経て帝州に向かう。さくらはより一層、雛菊に対しより過保護に振る舞い、冬主従もまた遠くから2人を見守る。一方、雛菊は訪れた地で春の里を想起する。決まって思い出すのは、先代の春の代行者である母のことだった。当時、春の代行者を務めていた雛菊の母・紅梅が、幼い雛菊を連れて春の里へ向かっていた。雛菊の父である花葉春月に娘を預けるためだ。雛菊が思い返す過去は、いつも悲しみをまとうものばかり。春の里に着いて雛菊が想いをはせる傍らで、さくらもまた古い記憶に思いを巡らす。
代行者を狙う賊が、夏離宮を襲撃される。主を守るため、2人の護衛官が賊たちと相対する。春の護衛官・姫鷹さくらが毅然とした態度で腰に携えた刀を駆使し、苛烈な攻撃を敵に与える。一方、夏の護衛官・葉桜あやめは温和で清楚な振舞いを一転し、銃を構える賊に臆することなく堂々と応戦する。2人の活躍により賊を撃退するが、冬の里の護衛による助けがあったことが伝わる。さくらは「…冬が、何で…」と“冬”の一文字に動揺を隠せず、ある人物のことを思い出す。険しい想いを抱えながらもさくらは、いまは雛菊を守ることだけを優先する。そして、ようやく彼女たちの前に夏の代行者が姿を現す。
竜宮から創紫での春顕現を終えた雛菊とさくらは、次の季節顕現の土地である衣世を訪れる。滞在地は、夏の代行者の別荘である夏離宮。まだ解けぬ雪景色の中、夏の代行者護衛官を務める葉桜あやめが春主従を出迎える。眼鏡をかけた知的で美しいあやめは、2人に自身の妹が夏の代行者であることを明かす。年の近い娘たちが意気投合する一方、夏の代行者・葉桜瑠璃は部屋にこもり、顔を出そうとしなかった。姉妹間で生じている軋轢に戸惑いながらも、雛菊は順調に衣世での春顕現を進める。だが、積み重なった疲労により倒れてしまう。
10年振りの春帰還に騒然となる大和の中、時の人である春の代行者について話す者たちがいた。陰りのある瞳と高貴な美しさを持つ冬の代行者・寒椿狼星と、そんな彼に仕える執事然とした男、冬の代行者護衛官・寒月凍蝶だ。2人は四季庁から新たに派遣された石原や、冬の護衛陣と共に創紫の地へ足を踏み入れる。そんな中、四季の代行者の存在を良しと思わない賊の面々が、狼星らを襲う。難なく撃退する狼星らだったが、10年前に春を失ったことは冬主従の心に深い傷を与えていた。10年前の事件、帰還した春主従の現在の様子。交錯する思いの中、狼星らは念願の桜見物を果たす。
波打つ豪奢な琥珀の髪に、和洋折衷の美しい着物をまとったかれんな娘、春の代行者・花葉雛菊は大和国最南端の島である竜宮にいた。そんな彼女には、凛とした美しさを持つ春の代行者護衛官・姫鷹さくらが付き添っていた。だが、本来、南国として名高いはずの島は雪に彩られていた。互いに身を寄せ合うようにして列車に乗る彼女たちは、この島で失われた春を呼び戻す儀式を行おうとしていた。そんな中、儀式の場所へ向かう道中、2人は薺と名乗る幼い少女と出会う。10年もの間、春を失った地で育った少女は、春という季節を知らなかった。薺の抱える想いを知った雛菊とさくらは、少女のためにこの地に春を呼び寄せる決意をする。





















