NARUTO−ナルト−のあらすじ一覧
波の国から帰ってきたナルトたち。与えられた任務をこなしていた彼らだったが、ナルトはそんな日々に不満を持っていた。初めて里から出て、再不斬・白と死闘を演じたナルトたちは、これから自分たちが立ち向かっていかなくてはならない世界がとても広く、また強敵がいかにいるかを肌で感じとっていた。「こんな任務ばっかりでは全然強くなれねー」と、あせりをつのらせるナルト。だがそんな時、木ノ葉の里に続々と他の里の者たちが集まってきたことを知る。彼らこそ、各里を代表して送りこまれた“中忍試験”受験生たちだった。
白は、とまどいつづけるナルトに、とどめを刺すよう言う。だが、戦うこと、勝つことだけが自分の存在理由だという白の考え方に、ナルトはそれが忍の道だということは分かっていても、激しい疑問を持つ。一方、再不斬とカカシの戦いにも終止符が打たれようとしていた。カカシの“口寄せの術”により、動きを封じられる再不斬。そして、勝利を確信したカカシの最強の術“雷切”が、うなりをあげて再不斬に襲い掛かる。その時、体をはって再不斬を守ったのは、ぼろぼろになった白だった。
白にサスケを倒された怒りが、封印されていた九尾の妖狐の能力を呼び覚まさせ、ナルトが覚醒する。ナルトのすさまじいチャクラは、離れた場所で刃をまじえていたカカシと再不斬にも感じとれるほど強力なものだった。ナルトの圧倒的な力の前に、なすすべもなくたおされる白。敗北をさとった白は、ナルトに「自分を殺してくれ」と頼む。勝つことだけが再不斬の期待に答えることであることを知っていた白は、ナルトに敗れた今、自分の価値がなくなったことを理解していた。どこまでも再不斬を想う白の純粋な気持ちが痛いほどよく分かるナルトは白にとどめを刺せず、苦しむ。
白の魔鏡氷晶による猛攻を受け続けるナルトとサスケ。ナルトはすでに立ち上がることもできなくなっていた。しかし、サスケはこの戦いの中で、おのれの中にある“写輪眼”の能力に目覚めつつあった。サスケは、少しずつではあるが確実に白の攻撃をかわしていく。そのこと気付いた白は、サスケが戦いながら自分の能力を開花させていくことに驚く。そして、このまま長期戦になればサスケに有利になると判断し、一気に勝負に出る。白の攻撃にサスケは身がまえるが、白の狙いはサスケではなく、ぼろぼろになっているナルトへと向けられていた。不意を突かれたサスケは、自分のの身を投げうってナルトをかばう。
白の魔鏡水晶により、サスケがピンチに陥る中、そこにナルトが飛び込んでくる。しかし、魔鏡水晶を内と外からたたこうと考えていたサスケの作戦は、ナルトの思いがけない行動で台なしになってしまう。そしてナルトとサスケは、二人とも白の術にはまってしまう。魔鏡水晶の中で、白の圧倒的なスピードに打ちのめされ、手も足も出ないナルトとサスケ。白は“血継限界”と呼ばれる異能の力を受けついでいるため、その強烈な力を持っているという。そして白はナルトとサスケに、「大切な人のためにあなたたちを殺します」と告げる。
ついに再不斬との再戦の時が来た。しかも先日の“仮面の少年”も再不斬とともに現れる。再不斬たちはサスケを見て一目でその実力をさとり、サスケもまた仮面の少年がただ者ではないことを見抜く。そして、まるで互いに引き寄せられるかのように、サスケと少年が戦闘を開始する。その頃、ガトーの部下がツナミを人質にしようとタズナの家に乗りこんできていた。母親が連れ去られそうだというのに、恐怖に震え、ただおびえるだけのイナリ。しかしナルトの言葉を思い出し、イナリは勇気をふりしぼって悪党たちに立ち向かう。
タズナと波の国の街に出掛けたサクラは、ガトーのために人々の生活がひどく苦しめられていることを知る。だからこそタズナは、海運交通を支配するガトーから人々を救うことができると信じ、海を越える橋を建設しようと命を懸けている。一方ナルトとサスケは、カカシに与えられた、チャクラを使った木登りの修業にはげんでいた。タズナの家に戻るころには、二人はぼろぼろ。そんな二人を冷ややかに見つめる子供・イナリは、ナルトに「ガトーには勝てっこない」と言い捨てる。実はイナリは、尊敬する養父カイザをガトーに処刑されていた。
ようやくタズナの家に着いたナルトたち。写輪眼を使ったためスタミナを使い果たしたカカシはしばらくは身動きがとれなくなっていたが、再不斬を倒した安心感から、ナルトたちには余裕ができていた。しかし、冷静なカカシは「本来の追い忍ならば、抹殺した相手をその場で跡形もなく消去するはずなのに、なぜあの少年は再不斬の遺体を持ち帰ったのか」という疑問を抱く。導き出された答えは「あの少年は再不斬を助けた」ということだった。ナルトたちは「再不斬が生きている」と、ショックを受ける。そしてカカシは、ナルトたちを短期間のうちにパワーアップさせるための修業を始める。
ナルトの作戦により、水牢がやぶられ自由になったカカシが、ふたたび再不斬に立ち向かう。ついに写輪眼の真の力が発揮される時が来た。カカシは、再不斬の技・水遁大瀑布を一瞬にしてコピーし、再不斬にたたきつける。自分の行動の全てが読み取られ、さらに自分の技で、それも数倍の破壊力を持つカカシの攻撃により再不斬はひん死の重傷を負う。カカシはとどめをさそうとするが、どこからともなく飛んできた千本が再不斬を貫き、再不斬はそのまま絶命。それは突如現れた“追い忍”と呼ばれる謎の少年の仕業だった。ナルトは、自分と大差ない年齢の少年があの再不斬を一瞬にして仕留めたことに驚く。
再不斬の裏をついたカカシが、ついに再不斬ののど元に切先を突きつける。背後から再不斬を封じたカカシの勝利は間違いないものに思えた。しかし、この再不斬の肉体もまた、“水分身”によって作られた偽者だった。一瞬にして形勢は逆転し、今度はカカシが再不斬に追いつめられ、“水牢”の中に閉じこめられてしまう。もはやタズナを守るのはナルトたち3人のみ。しかもナルトとサスケの攻撃も通用しない。圧倒的な力の差にがく然とするナルトたちは、パニックになり、逃げだそうとする。しかし、“左手の誓い”を思い出し、勇気を振りしぼって踏みとどまる。
カカシによって与えられた試練はすさまじいものだった。そして、ナルトたちの前に立ちはだかったカカシは、今までの彼とはまったくの別人。本気のナルトを軽くあしらい、里一番のエリートであるサスケでさえもまったく歯が立たない。サクラにいたっては、もはや途方に暮れるばかり。上忍であるカカシの真の実力の前に、天と地ほどの差を感じ、なす術がない3人。このままでは全員アカデミーに逆もどりになってしまう。あせり始めるナルトたちだったが、実はカカシはこの試練の中である重要なことを3人に覚えさせようとしていた。
木ノ葉の里のおさは代々“火影”と呼ばれ、忍者としての心技体をきわめた者がその地位につくとされている。現在の火影・猿飛は数えて三代目にあたる。そしてこの三代目火影には、木ノ葉丸という孫がいた。なんとか忍者学校を卒業することのできたナルトが忍者登録書を提出しに行った時、木ノ葉丸と出会う。木ノ葉丸はすぐにナルトを“親分”と呼びはじめ、勝手に後をついてまわるようになる。それは、ナルトだけが木ノ葉丸のことを“火影の孫”として特別あつかいしなかったからだった。