NARUTO−ナルト−のあらすじ一覧
死力を尽くして戦いを繰り広げたナルトと我愛羅。もはや二人に戦うことはおろか、立ち上がる力も残されていなかった。しかし、それでもサクラを守るために、はうようにして我愛羅に向かっていくナルト。我愛羅は、なぜナルトはこんなに強いのかと疑問に思う。同じように里の人間に嫌われ、自分が誰からも必要とされない存在だと思って育ってきたナルトと我愛羅。しかし、二人の決定的な違いは、そんな自分の存在を認めてくれた大切な人を守りたいと思う心だった。それに気づいた我愛羅は「愛情…だからこいつは強いのか…」と悟るようにつぶやく。
守鶴は我愛羅の“狸寝入りの術”でその本来の力を発揮し始める。コンビ変化で巨大な九尾のキツネになったナルトとガマブン太は、術で眠っている我愛羅を起こすことによって守鶴の力を奪おうとする。だが、術を解いてもなお守鶴の力は強大だった。とうとうガマブン太も押されはじめ、我愛羅の攻撃がナルトに迫る。一方、木ノ葉の里では大蛇丸と三代目火影の戦いが続いていた。三代目は命懸けの封印術“屍鬼封尽”によって大蛇丸を押さえ込もうとするが、傷ついた三代目には大蛇丸の魂を封印するだけの力は残されていなかった。
ナルトとサクラがサスケの元に駆けつけた時、我愛羅と生死を懸けて戦っていたサスケは、力尽きて倒れていた。ナルトは半身化け物に変身した我愛羅の姿に驚き、サスケを連れて逃げようとする。その時、我愛羅は再びサスケに襲い掛かろうとする。サスケをかばおうとしたサクラは、失神したまま我愛羅の手におさえつけられてしまう。サスケもサクラも倒れてしまい、ナルトは追い詰められる。その時、突然我愛羅が頭を押さえ、苦しみ始める。我愛羅は、小さい頃から“バケモノ”と恐れられ、誰からも愛されずに育ってきた過去を思い出していた。
火影と大蛇丸の戦いは大詰めに差し掛かっていた。ついに火影は、大蛇丸も知らないとっておきの術“封印術・屍鬼封尽”を発動する。これによって火影は死神を出し、初代火影と二代目火影の魂を体から抜いてしまう。そして、ついに火影と大蛇丸は直接ぶつかり合うことに。火影の腹から伸びた死神の腕は、大蛇丸の腹に食い込み、その魂を抜き去ろうとしていた。屍鬼封尽によって封印された者は、永遠に成仏することなく、死神の腹の中で苦しみ続けるという。しかしこの術は、その効力と引き換えに己の魂を死神に引き渡すというものだった。
我愛羅、テマリ、カンクロウの後を追っていたサスケは、ようやく3人に追いつく。カンクロウは我愛羅を連れて逃げ、サスケの前にテマリが立ちはだかる。サスケはテマリの“忍法・風砂塵”に苦しめられるが、変わり身の術で相手を制し、再び我愛羅たちの後を追い掛ける。一方やぐらの上では、火影と大蛇丸の戦いが続いていた。大蛇丸の仮面の下に見知らぬ若者の顔が現れたのを見て、驚く火影。大蛇丸は、他者の肉体を奪い、その肉体に自らの精神を入れこみ乗っ取る転生術“不老不死の術”を使っていた。そして、次に大蛇丸が狙っている肉体は、サスケのものだった。かつて火影は大蛇丸が自分の弟子だったころから危険な存在だと気付いていたが、気付かないふりをしていた。彼はそんな自分の態度を後悔する。
忍犬パックンとともに、サスケを追っていたナルト、サクラ、シカマルの3人。しかしその途中、パックンは後から元木ノ葉の忍・大蛇丸の手下が9人追って来ていることに気付く。9人のレベルは高いと予想され、もし追い付かれればナルトたちは全滅させられる可能性がある。そこで、シカマルは“待ちぶせに見せかけた陽動作戦”を提案。それは、一人が残っておとりになり、敵を足止めしている間に3人が逃げるというもの。おとり役となった者は殺される可能性が高いという。そしておとり役として名乗りを上げたのは、なんといつもは逃げ腰のシカマルだった。
“木ノ葉”を倒そうとする“音”と“砂”、そして大蛇丸が動き始める。戦闘の場となった会場の中で、カカシはサクラに波の国以来のAランク任務を命じる。それは、我愛羅の後を追っているサスケをバックアップするべく、ナルト、シカマルとともにサスケを追い掛けることだった。カカシはその手助けとして、口寄せの術でブルドッグの“パックン”を出す。そして、サクラによって幻術を解かれたナルトとシカマルは、訳が分からないままサクラに連れられ、サスケの後を追うことに。一方やぐらの上では、火影と大蛇丸が向かい合い、戦おうとしていた。
1番の注目試合、サスケと我愛羅の対戦がついに始まる。我愛羅は「母さん」と、誰かと会話をしているかのような不気味な独り言をつぶやく。それは、我愛羅にとってサスケが本気を出す価値のある人間であることを意味していた。我に返った我愛羅は、砂のよろいを砂の分身に変化させて攻撃を始める。しかし、サスケは以前とは比べ物にならないほどのスピードで動き、見ている者たちを驚かせる。それは、動きもスピードも、リーの体術にそっくりだった。自分が何年も掛けて覚えたものをたった1か月で使えるようになったサスケを見たリーは、改めてその天才ぶりに驚く。
ナルトにやぶれ、病院に運び込まれるネジの前に、ネジの伯父・ヒアシが現れる。ヒアシはネジの父・ヒザシが死んだ時の真実を伝えに来たという。ネジは、ヒアシのためにヒサシが殺されたことを恨んでいた。しかしヒアシは、その時自分が死ぬつもりだったこと、そしてヒザシが自分で“運命”を選んで死んだのだということを伝える。その話を聞いたネジは、人の“運命”が、今まで思っていた通り、あらかじめ決められたものなのか、それともナルトが言っていたように、自分で選ぶものなのかを考える。
ナルトとネジの対戦は、ネジの圧倒的優勢のまま続いていた。ネジはナルトの胸を手で突き、とどめを刺したかに見えたが、ナルトはボロボロになりながらも立ち上がり、勝負を諦めようとしない。しかし、ネジの柔拳により全身の点穴を全て閉じられているため、ナルトはチャクラを出すことができない。そんな時、ナルトの頭の中に自来也の言葉がよみがえる。それは、ナルトの中に眠る、強大なパワーを持つ九尾の狐のチャクラのことだった。そしてナルトは、決死の思いで印を結ぶ。