高校生役の中でちょっと変わり種なものもあった。その一つが2007年7月からの連ドラ「パパとムスメの7日間」(TBS系)。流行に敏感な今時の高校生・川原小梅を演じたが、舘ひろし演じる父親・川原恭一郎と人格が入れ替わってしまうというコメディー要素の多い作品だった。
新垣は高校生役ではあるが、中身が47歳の男性ということで、あぐらをかいたり、ガサツな感じがリアルな“中年男性”っぽさがあって、この作品で新たな扉が開いたような感じがあった。同時に、舘の女子高生っぽい言葉遣いや所作も強く印象に残っている。
もう一つは、2008年10月に公開された映画「フレフレ少女」。新垣が演じるのは、現実の恋よりも小説の中の恋に憧れる高校2年の百山桃子。本を読みながら歩いている時に野球のボールが直撃し、保健室に運ばれてしまう。目を覚ますと、必死に謝っている野球部の1年生・大嶋秀樹の姿が視界に入ってきた。
その爽やかさに初めて現実で恋をした桃子は、ラブレターを渡そうと試みるができず、屋上から聞こえてきた応援団の声を天啓と考え、“応援団”に入るという思い切った行動に出た。文学少女が学ランを着て応援するという変化も含めて、変わり種だがこれもまた重要な作品の一つと言える。
2008年以降は、20歳になったということもあり、学生よりも働く女性の役だったり、大人の恋愛を描いた作品への出演が多くなっていった。2008年にスタートした「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ系)シリーズ、2012年からの「リーガル・ハイ」(フジテレビ系)シリーズ、そしてなんと言っても、“森山みくり”がハマり役となった「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系)など、学生役から離れた中でも多くのヒット作品で存在感を見せている。
2023年秋公開の映画「正欲」や2024年公開予定の「違国日記」など、先の出演作が決定してきているが、誕生日をきっかけに、これまでの作品で“俳優・新垣結衣”の軌跡を振り返ってみるのはいかがだろうか。
◆文=田中隆信
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/dragon-sakura/
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発売日: 2011/12/07