帆奈は桂一を見つめ「弟に少し似ている」
桂一のメガネを外し、「弟に少し似ている」と言って桂一の顔をじっと見る帆奈。そんな謎めいた雰囲気のある帆奈だが、自分との共通点や弟に似ていると言われたことで、桂一は親近感を覚えたのではないだろうか。
名前を聞かれて「広瀬桂一です」と答えると、「よろしくね。桂一」と下の名前で呼ぶフレンドリーさもあって、一気に距離を縮められてしまった様子。
山田は帆奈のファンで、いつか一緒に絵本を作ってみたいと思っている。しかし、帆奈の弟は重い病気で亡くなっていて、帆奈は助けられなかったことに責任を感じて絵本を描かなくなったという。
弟への思いの強さも分かった桂一は「僕も読んでみたいです。帆奈さん、何だか魅力的な人でしたから」と帆奈の人柄にも引かれたのが伝わってくる。桂一が何気なく言ったその一言を、晃は背中を向けながら複雑な思いで聞いていたのが印象に残った。
帆奈「私の願いは叶うことはないから」
再び帆奈の家を訪れた桂一は、眠っている帆奈を“倒れている”と勘違いし、近寄ったところでキスをしてしまう。帆奈は弟と間違えて桂一にキスをしてしまったのだった。
兄妹というのを偽って“夫婦”を装う桂一と晃と同じように、帆奈も亡くなった弟に対して禁断の思いを抱いていたのだった。これも共通している部分だと言えるだろう。
しかし、違っているのは、弟は亡くなっていて血のつながった姉弟ではないということ。夏祭りで晃が帆奈と出会い、七夕の短冊への願いを書くペンを貸そうとしたら「私の願いは叶うことはないから」と。そう答えた笑顔の中に、少し寂しさが感じられた。
晃とつないでいた手を離し、帆奈を追いかけた桂一。桂一を探しに行った晃が見た、桂一の笑顔。「桂ちゃんは私といると笑顔になれないの?桂ちゃんは私といると幸せになれないの?」と、晃は心の中でつぶやき、「桂ちゃんとずっと夫婦でいられますように」と書いた短冊を握りつぶした。
帆奈の存在が晃を不安にさせ、桂一は帆奈に「俺の嫁さんは妹なんです」と正直に告白。まさに2人の運命が変わり始めた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部