現代に通じるホームドラマ「藤沢周平 新ドラマシリーズ」第2弾『小さな橋で』出演者が登壇!
時代劇専門チャンネルが、7月18日に都内で、「藤沢周平 新ドラマシリーズ」第2弾の制作、放送決定を記念したラインナップ発表会を開催。藤沢周平原作「橋ものがたり」の『小さな橋で』に出演する松雪泰子、田中奏生、藤野涼子、江口洋介と杉田成道監督が登壇した。
「藤沢周平 新ドラマシリーズ」とは、時代小説の名手である藤沢周平の作品を映像化するプロジェクトで、時代劇専門チャンネルを運営する日本映画放送株式会社が、スカパーJSAT株式会社、株式会社ビーエスフジの協力を得て'15年にスタートしたもの。第1弾の5作品の好評を受け、第2弾では藤沢の名作短篇集「橋ものがたり」から、『小さな橋で』『吹く風は秋』『小ぬか雨』の3篇を映像化する。
発表会では、杉田監督が「藤沢さんの“市井もの”で描かれる人情は、通常の時代劇の人情とはちょっと頃合いを異質にしておりまして、現代人がストレートに(物語の世界に)入れるようなものがたくさんある。特にこの『小さな橋で』はまさにホームドラマで、松雪さんが演じる母親は、実に“今”の感じがします」と作品の魅力を語った。
また、松雪はダメな母親・おまきの役どころについて「すごく感情を放出する役でした。監督の演出に最初は、『ここまでエキセントリックに感情を放出して大丈夫なのかな』と思うくらいだったのですが、全編を通してみると(感情表現の)振り幅が大きければ大きいほど、演じていてどこかストンと落ちる感じがしました。人間的な女の部分であったり母親としての弱さといった、いろいろな面をしっかり出せたらいいなという思いで演じました」と告白。
一方、多額の借金を抱えて家族を置き去りにして旅に出る父親・民蔵を演じた江口は「演じていて現代にも通じるものを感じました。今、ドラマなどをやっていても、“強さ”や“潔さ”といったものは“笑い”に逃げてしまう作品が多い中、この作品は“親子の間で何が大切なのか”を凝縮していたので、非常に楽しみながらやらせていただきました」と明かした。
妻子ある男性と駆け落ちをしてしまう娘・おりょうを演じた藤野は「16歳という年齢なのですが、『この時代の16歳は少し大人なのでは』という感覚を持っていたので、少し大人っぽく演じていたのですが、監督から『そんなに大人ではなく、子供の要素を持った“大人ぶっている”16歳を演じてくれ』と言われて、すごく難しかったです」と苦労話を披露。
ほか、息子・浩次役の田中は「全力でやり切りたいと思ったので、どんなに厳しくても頑張りたいと撮影に臨みました。全力でやれてよかったと思います」と振り返り、「でも、(家族を養うために水商売をしている)おまきが実際のお母さんだったら嫌だなって思いました」と素直な感想を話して会場を沸かせる場面も。
最後に、松雪は「本当にしっかりと心に染みわたる作品になっていると思います。楽しんでいただけると思います!」とアピールした。
「藤沢周平 新ドラマシリーズ」第2弾『小さな橋で』は、BSスカパー!にて9月18日(月)放送予定。
取材・文/原田健
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