ヒューマンドラマのように温かみも感じられる作品
![映画「怪物の木こり」より](https://thetv.jp/i/nw/1167811/12389216.jpg?w=1284)
――ハプニングもあったんですね。でも、映画祭で刺激を受けたスペインで、自分自身を見つめ直す機会に繋がったことは、良かったですね。
自分の感覚を刺激してくれる作品と出会えて、本当に感謝です。三池監督の作品は、「クローズ」や「悪の教典」「風に立つライオン」などたくさん触れてきたので、この作品のオファーが来たときは、監督のフィーリングを楽しみたいと思っていました。自分をどんな風に見せたいとかではなく、この作品では、僕がどんなことを求められているのか、どういう形で存在できるかということに集中できたんじゃないかな。
――完成した作品をご覧になって、ご自身ではどんな感想を持ちましたか。
サイコパスとか、連続殺人鬼っていうインパクトのあるサスペンスですけど、最終的にはヒューマンドラマのように温かみも感じられる作品になったと思っています。サイコパスっていうと特殊な人間のように感じるけど、人間って誰しも多面体ですよね。
僕らが普段、生活している中でも、家庭での自分と、仕事場での自分、環境やシチュエーションごとに、いろいろな自分がいるわけで。はたして本当の自分って何なんだろう…と(笑)。もちろん、ひっくるめて、全部“私”ではあるんだけど、面白いよね。そんないろんなことを考えさせられるすてきな映画になっているんじゃないかなと思います。
◆取材・文/福田恵子