「羽生さん、顔を上げてください」華子のチョゼリ返しが格好良い…
それから、当時の元財務部長に「徴税禁止リスト」の件を問いただした饗庭と華子。しかし、思うような手がかりは得られず、逆に「無駄だよ。仮にそんなリストがあったとしてもだ。財務部長だった私よりさらに上の人間のためのものだ。君たちがいくら調べてみたってそんなものは…」とたんかを切られてしまう。
だが、饗庭も負けていない。「そんなもんがあると知った以上、見て見ぬふりはできないんですよ。俺たち、公平公正がモットーなので」と静かな怒りを目に宿して、前財務部長に言い切るのだった。
翌日、饗庭に頼んで思い出の丘に羽生を呼び出した華子。開口一番、「ごめんなさい、徴税禁止リスト見つかりそうにありません」と羽生に謝った。しかし、そのまま華子は母を失った当時のことを振り返り始める。
どうしてみんな税金を取られるのか分からなかった小学生の時の華子は、羽生に尋ねた。すると、羽生は華子を連れて見晴らしの良い丘の上へ訪れた。「見えるかな、さっきまでいた公園とか、華子ちゃんが通っている学校とか。毎日使っている道路とか。税金はみんなで出し合って、みんなで助け合うお金なの」と羽生。
「私も助けてもらってる?」と華子が尋ねると、「華子ちゃんもお姉さんも助けてもらってるし、助けてる」と羽生は優しくほほ笑む。華子の母のようにうまく助けてあげられない人もいるが、助けを求めてもらいやすくするのが徴税吏員の仕事…そのときの羽生の言葉を、華子は鮮明に覚えていた。
そして、華子の記憶には続きがある。「華子ちゃんの周りにはたくさんの人たちがいる。助けてくれる人も、助けてあげられる人もいる。だから下を向いて1人になっていたらもったいない」「きっと一人きりに思えるときほど、あなたは1人じゃないんだよ」。羽生のその温かい言葉を改めて思い返し、華子は言葉を紡ぐ。
「私、羽生さんに憧れて徴税吏員になったんです」。顔を上げて周りを見ようという羽生の言葉があったからこそ、周りにいる誰か、そして華子の母のように助けてほしいと言えない人たちを助けたいと思ったという。「羽生さんも顔を上げてください。私…羽生さんを1人にはしません」。強い目で真っすぐに語る華子を、羽生はまぶしそうに見つめる。
華子は徴税禁止リストの件も必ず追及すると請負い、「1人で戦おうとしないでください。私たちを…信じてください」と恩人への恩返しを誓うのだった。
相楽の暗躍…すべての黒幕とは
華子の説得によって、還付金は無事返還されることに。それを副市長・相楽義実(本郷奏多)に報告ついで、饗庭と華子は今回さまざまなシーンで華子に接触を図ってきた意図を問いただす。「知っていたんですよね?徴税禁止リストのこと」と怒りに唇を震わせながら、華子が相楽をにらんだ。
立場上、相楽が徴税禁止リストの存在を知らないはずはない。しかし、相楽は物的証拠がないことを盾に、2人の追及に対してただのうわさでしかないと断ずる。だが、饗庭が「現物があったら、調査すんだな?」とさらに一歩踏み込むと、相楽はしっかり肯定。それを受けた饗庭は、「だったら見つけんぞ。俺たち隠してるもん探すの得意なんだよ。その代わり、もしリスト見つけても調査しないなんてことになったら、お前許さねえからな…!?」とすごんでみせる。
2人はこの時点で、羽生から徴税禁止リストが「相楽グループ」とその関係者を助けているという告白を聞いていた。実際に次の場面では、市長であるはずの米田が「これで次の選挙も安心ですね」とうそぶく相楽グループ会長・相楽耕史郎(板尾創路)にペコペコ頭を下げている姿が映し出される。そして、その席には間違いなく副市長・相楽義実も参加していた。
さらに、ラストでは第三係の仲間である鷺沼宏樹(猪塚健太)が徴税禁止リストを更新しているという驚きの展開が。SNSでは「これもう一回見直すと“徴税禁止リスト”の話をしてるとき、鷺沼くんの表情がめちゃくちゃ強張ってる。細かい伏線だけど、すごいな」「相楽は敵なのか?同期の飛び降り事件とも関わりありそうだし、気になりすぎる」といった声が相次いでいる。