ロンとトトの関係性はエモすぎない
そして、この連載を読んでくださっている方は既にご存知かと思いますが、私はバディものが大好き!凸凹コンビの凸と凹がハマるのも最高ですし、その2人にしかない友情でも恋愛でもない絆で結ばれて、お互いを信頼していて…っていうのがすごい好きなんですけど、ロンとトトに関してはちょっと違うんですよね。いい意味で、関係性がエモすぎないというか(笑)。
正義感は強いけど警察でお荷物扱いされちゃうくらいピュアでマヌケなトトと、探偵学校では一番優秀だったのに犯人を自殺に追い込むという欠陥を持っているロン。いつもだったらこの凸と凹が綺麗に重なるところですが、この2人の場合、多分ロンの方が常にちょっと上にいる感じがして。
麻雀だと「ロン」は他の人が捨てた牌で上がるっていう意味であるように、ロンにはまさにそういう一面があって、彼が求めてる結末や言葉を誘導して全部引き出してるんですね。でも結果的に刑事として名が上がるトトにとっても得なので、お互いの利益のために組んでいるビジネスバディみたいな雰囲気があります。そうはいっても、トトは最初から「ロンを支えなきゃ!」って思ってそうだし、それでもロンに“傀儡”としていいように使われてる関係性が可愛いんですけどね(笑)。
でも第7話でロンが殺人容疑をかけられた時、5年前に逮捕された時は泣き喚くことしかできなかったけど、あの時ほど焦らないのはトトがいるからだって気付くシーンがあるんですよ。ロンの中でトトがすごく重要な人っていう認識はあるようですが、他のバディものに比べたらさりげなく描かれているところもいいなと思いました。