中途半端なものを人に見せたくない 完璧な状態でお見せしたいんです
――空手や社交ダンスをされていたり、体を使いこなすことが得意だからこそ、ダンスも苦労されていないのかと思っていました。
空手をやっていたからこそ、ダンスができないのかもしれません。ヒップホップというのは、きれいなフォームというよりも崩しているフォームが格好よく、正しいんですよね。
でも、僕がやっていた空手はきれいなフォームが正しく格好いい。長く空手をやっていたからこそ、姿勢を崩すことが難しく、苦労しました。
鏡の前でフォームを確認しながら、ヒップホップとして格好いいフォームをたくさん探しました。あと、アーティストのダンス動画とかも参考にしていました。
――どなたのダンス動画を参考に?
いろいろな方を参考にしたのですが、一番見ているのはBE:FIRSTさんのダンス練習動画です。ダンスをする上で、ある程度、「ダンスはこういう部分が格好いい」と分からないといけないと個人的に思うんです。
「どういうダンスやフリが格好いいのだろう?」と研究に研究を重ねた結果、一番分かりやすく格好よかったのがBE:FIRSTさんだったので、時間があれば見ていました。
――前田さんは携わる作品に対して、極限まで調べ上げ、理解をした上で撮影をする方という印象を受けました。
そうなのかもしれません。僕は、中途半端なものを人に見せたくないという気持ちが人より強いです。どんな時でも、どんなことでも、事前にいろいろ下調べをして、自分の中に落とし込んで、完璧な状態でお見せしたいんです。
部活とかでもそうだったんです。目標を決めて、その目標を確実に達成するために、どうするのかなどを細かく決めて実行する。目標を達成するためには、「どのくらい時間が必要で」と常に考えて生きてきました。
運命的な出会いの中で育まれる友情、ブロマンスを描いています
――監督からアドバイスなどはありましたか?
今回は自由にやらせていただきました。脚本家さんも含め、撮影に入る前に、事前にたくさん打ち合わせをし、すり合わせをさせていただいたこともあったので、撮影ではそこまでアドバイスや「こうしてほしい」などの指示はなかったです。
――この作品の脚本家・坪田文さんと言えば、「美しい彼」をはじめ、人と人との繊細な部分を表現することが上手な方だと思います。そういった部分を演じる上で意識されたことは?
読んだだけで、情景が浮かんだり、「こういう感情なんだろう」というものが想像しやすい脚本だと思いました。今回は、「美しい彼」のような男性同士の恋愛ではなく、運命的な出会いの中で育まれる友情、ブロマンスを描いています。2人の距離感、ブロマンスだからこそ漂うエモーショナルな雰囲気を大切にしながら演じていました。
――前田さんにとって、奥智哉さんの存在はどういった存在ですか?
年も離れているので、弟みたいな存在だと思っています。その一方で、支え合える仲間みたいな存在だとも思っています。
――最後にダブル主演としてドラマに懸ける意気込みをお願いします。
「仮面ライダーリバイス」で共演していたおっくんとダブル主演を務めます。成長した僕たち2人の姿を皆さんに見てほしいです(笑)。
インタビュー・文=八神真子
撮影=山内洋枝