コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、作者のおたみさんが小学校4年生のエイプリルフールに体験した、忘れられないできごとを描いた漫画『忘れられないエイプリルフールの転校』をピックアップ。漫画家のおたみさんが、2024月4月1日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、2.7万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではおたみさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
エイプリルフールに起こった“本当の話”
お菓子のシールを一緒に集めているのは、小学校4年生のおたみさんと、友達の並やん。いつものように「ほらコレ!オレの家に昨日シールのアルバム忘れてたで!」「お!ありがとう探しとった!」と他愛もないやりとりをしているところから物語はスタートする。
ふと「オレ、おばあちゃん入院するから転校するねん」と言い出した並やん。「えっ!?そうなん!?」おたみさんが驚きながら並やんの方を振り返る。「そやねん春から香川や。一緒にシール集められるんも今日が最後やわ」という並やんは、おばあちゃんと二人暮らし。頼れる大人は香川の親戚だけだった。
友だちとの別れを察してしんみりするおたみさんだったが、次の瞬間「ウソやん!今日エイプリルフールやん!」と笑い飛ばす並やん。「うぉい!ほんまビビったで!やめてや!」と怒ったおたみさんに「あはは、その顔見れただけで十分や!」と笑う並やんだったが、新学年になって学校へ行くと並やんは本当に居なくなってしまっていて…。
実際にこの物語を読んだ人たちからは、「泣いた」「友達ってこうありたい」「切ない」「並やん粋すぎる」「しんみりしたくなかったんだろうな」「友情は永久不滅」など反響の声が多数寄せられている。
表情豊かで優しい友達“並やん”への思い
――『忘れられないエイプリルフールの転校』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
いつも4月1日のエイプリルフールの時期になると並やんのことを思い出していたので、いつかのタイミングで描きたいと前々から思っていて、ちょうど描ける時間が出来たのでエイプリルフールの日にポストしました。長年の4月初旬のつっかえが取れた気がしています。
――本作では、転校することを伝えた並やんの切なそうな表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
並やんは表情豊かで優しい友達だったので、その当時の僕の中でのイメージを崩さないように、柔らかい線で描くように心掛けました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
並やんの「その顔見れただけで十分やわ」というセリフです。これは実際に言われた言葉で、並やんが転校してから教室でよく「どんな気持ちで言ったんだろう」と一人で反芻していました。
――X(旧Twitter)にて、並やんとはFacebookで再会したというエピソードが明かされておりましたが、大人になってからの2人について描かれる予定はありますか。
はい。描いて欲しいというコメントも頂いたので、是非いつか描こうと思っています。Facebookでプロフィール画像の並やんを見たとき「うわ、変わってない...!」と手が震えたのをよく覚えています。
――おたみさんが漫画を描く際に大切にしていることがあればお教えください。
いつもはギャグ漫画を描いているので「笑って貰えたらいいな」と思っていますが、最近は少しだけでも読んでくれた人の心が軽くなったり、楽になったらたらいいな、とも思っています。
――おたみさんの今後の展望や目標をお教えください。
「なんか読んでみたらちょっとおもしろかった」と思って頂けたら十分です。
――最後におたみさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも読んでくださってありがとうございます。本当に嬉しいです。これからも微力ですが一生懸命描きますのでよろしくお願いします。