「出川さんは、さんまさんとテレ東の間を取り持つ“奇跡のキューピッド”」【テレビ東京プロデューサー・平山大吾】
出川哲朗とゲストが電動バイクにまたがり、タイトル通り“充電させて”もらいながら、旅先で出会う人々と触れ合うドキュメント・バラエティー「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(テレビ東京ほか)。プロデューサーを務める平山大吾氏に、番組立ち上げの経緯や、番組の主役である出川哲朗の魅力、そして、明石家さんまがゲスト出演する7月14日(土)放送のスペシャルの撮影裏話など、土曜夜8時台のバラエティーとして定着しつつある「充電」について語ってもらうとともに、自身ののキャリアからこれからの展望まで、平山氏のテレビマンとしての思いに迫った。
いつの間にか、ドキュメント・バラエティーの中毒になってるんです(笑)
――平山さんがテレビマンを目指すようになったきっかけは?
「学生時代、人力車のサークルに入っていて、人力車を引きながら全国各地を旅していたんですよ。そんな中、東海道を旅していたときに、日本テレビの『追跡』(1988~1994年)の取材班が向こうからやってきて、取材を受けたんです。そこで『こんなことが仕事になるんだ』と思って、自分もテレビ局を目指そうと。それが、そもそものきっかけです」
――ドキュメンタリー番組を志望していたわけですか?
「そのサークルでは、東海道を歩いているとき、ジャンケンで負けた者が先回りして、その日の宿を探すんですね。いつも、心優しい人が住んでいそうな家を訪ねて、『この辺に泊まるところありませんか?』とお願いをする。すると『おう!泊まってけよ』と家に泊めてもらえたり、『飯食ってけ』とご飯をごちそうしてもらえたり。そうしているうちに、世の中には、こんなにも親切な人、いい人がいるんだと思ったんです。だから、日本にはこんなにも“いい人”がいるんだ、捨てたもんじゃない、ということを知ってもらえるような番組を作れたらと、そんな思いはありましたね。なので、どちらかというとドキュメンタリー志望だったかもしれません」
――ドキュメント・バラエティーが得意なテレビ東京は、平山さんの志向にぴったりだったわけですね。
「そうですね。まぁ実際は、よその局に落ちて、最終的にテレ東に来たんですが(笑)」
――入社後は、どんな番組を担当されたんですか?
「最初は編成局の映画部に配属されて、2年目で制作部に配属になりました。ADとして初めて就いたのは、『愛LOVEジュニア』(1996~1998年テレビ東京)という、ジャニーズJr.の番組です。ロケディレクターのデビューは、『愛の貧乏脱出大作戦』(1998~2002年テレビ東京系)。貧乏から脱出したい方が達人の下で修業をするという番組で、1週間ほどロケをしながら、その成長過程を撮っていくんです。語弊があるかもしれませんが、これが面白いんですよ! 修業から逃げ出してしまう方もいれば、逃げ出した方が奥さんに連れられて戻ってきて、奥さんが『もう一度お願いします』と泣き崩れながら土下座したり。『今、何が起きているんだろう?』と、現実なのか夢なのか混乱するほどのことが起きる。まさにドキュメンタリーなんです。想定外のことが次々と現場で起きるので、スタッフはいつの間にか、そんなドキュメント・バラエティーの中毒になってるんですよね(笑)」