<試写室>「スローな武士にしてくれ―」いつの時代も変わらない、作品作りへの情熱
まずは登場人物のキャラクターがとにかく濃い!
主人公・シゲちゃんを演じる内野聖陽は、“名斬られ役“でありながら、致命的な欠点があり50歳を過ぎても芽が出ないという役どころ。
“名俳優“である内野が、ヘタレで家庭ではおとなしく、でもどこか憎めないというシゲちゃんを見事に演じており、それだけでも物語の面白さを期待させる。
そんなシゲちゃんを取り巻く人物たちもとにかく濃いのだ。
柄本佑演じるNHK技術ラボから派遣されてくる時代劇オタク・田所は、ピチッと作業着を着ながらも、常に髪の毛には寝グセがついている。
さらに田所と共にやってくるNHK技術ラボの職員は、全員髪の毛を頭になでつけ、メガネを着用。
その姿は、「LIFE!~人生を捧げるコント~」で内村光良が扮しているNHK勤続40年強の三津谷寛治を彷彿とさせ、誤解を恐れずにいうと、とにかくめちゃくちゃNHKっぽい…。
その姿、態度には試写室に居たおそらくNHK関係者と見られる人たちも爆笑していた。
最新技術チームがいる一方で、この作品を語る上で外せないのが老練のスタッフたち。
冒頭から登場する映画監督・国重(石橋蓮司)とベテランカメラマンの武藤(本田博太郎)は、見た目からして“THE昔の業界人”という感じだ。
職人気質でとっつきにくくてヘビースモーカー…。そんな素性が容姿からプンプン漂っていた。
この2人以外にもクセの強い照明技師(浜田晃)、録音技師(佐川満男)、撮影所長(伊武雅刀)が登場。
名前を羅列しただけで胸焼けがしそうなほどの豪華俳優陣たちが登場するだけで、画面に古き良き撮影所の空気を感じられる。
この5人が一同に介し、会議室でなんともゆるい冗談を言いながら加熱式タバコが主流となってきたこのご時世にタバコの煙を部屋中に充満させながら会議しているシーンはなんとも秀逸だった。
一見“強面”な老練スタッフたちが最新技術と奮闘する少しキュートな姿にも注目してほしい。
他にも叔父に時代劇の大スター萬屋錦之介を持つ歌舞伎役者・中村獅童が演じるシゲちゃんのライバル俳優・城太郎の殺陣や、アクション女優としても活躍する水野美紀が演じる元“くノ一女優”によるアクションなど、豪華俳優陣による見どころ祭りがひたすら2時間続き、記者は思わずニヤニヤしながら最後まで見てしまった。
3月23日(土)
夜9:00-11:00
NHK BSプレミアム
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