「野間児童文芸賞」を2016年に受賞した柏葉幸子の小説「岬のマヨイガ」がアニメ映画化され、2021年に公開されることが決定した。
監督を川面真也、脚本を吉田玲子、制作をdavid productionが務め、“訪れた人をもてなす家”という岩手県に伝わる不思議な伝説である古民家“マヨイガ”を舞台に、居場所を失った17歳の少女と血のつながりがない新しい家族たちとの、不思議だけど温かい共同生活を描く。
また、解禁されたティザーPVでは、物語の舞台である岩手の緑豊かで美しい自然、誰もが懐かしさを覚える古民家、凛とした表情の少女、そしてそれぞれ雰囲気の異なる3足の靴が描かれており、ナレーションを岩手県出身の久慈暁子アナ(フジテレビ)が担当している。
東日本大震災から10年がたとうとしています。あの恐ろしさ、悲しさ、つらさを、被災された皆さんには、早く忘れてほしいと願い、忘れてはいけないと自分に言い聞かせるという日々だったと思います。被災地といえば三陸でしたのに、この10年の間に、日本中に被災地と呼ばれる地があり、今はコロナ禍です。心の中に明るい思いがほしいです。
「遠野物語」のマヨイガは、山で道に迷った人をマヨイガが幸せにするというお話です。本家のマヨイガのように、「岬のマヨイガ」も、出合った人を幸せにしてくれるはずです。明るい幸せな思いで心が満たされる。そんなすてきなアニメーション映画にしてくださると確信し、感謝しております。狐崎のマヨイガに会いに行ってください。
おいしいご飯と、隣にいる人の笑顔。いい香りのお茶と、楽しい会話。家族という言葉に縛られない、温かなつながり。「岬のマヨイガ」はその心地良さを必要とする人たちが出会う家です。疲弊した心に弾力をつけて、自立へと踏み出す場所です。ぜひ劇場で柔らかな風景と音楽に包まれて、彼女たちと一緒にマヨイガへと足を踏み入れてみてください。
今に迷い、未来に迷い、過去にも迷いを残しながら、人は生きているのかもしれません。原作を拝読し、そんなことを考えました。迷いながらも、ここから始めたい…ここに戻って来たいと思える、家のような作品になればと思っております。
鮮やかな緑の中の大きなかやぶき屋根の家。土間に靴を脱ぎ捨て、畳の上で寝そべる少女に、岩手出身である自分の姿を重ねました。まるで草の香りや川のせせらぎまで聞こえてくるようです。さまざまな伝説が生活の中に溶け込み、私たちを優しく包み込んでくれる岩手の自然を舞台にした作品のPVナレーションを担当させていただき、とてもうれしく思っています。
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