――視聴者の皆さんは、ケンの成長に感慨深げでした。
ありがたいです。実際に見てくださった皆さまにそう言っていただけるのはうれしいです。
――ケンは吟と智彦の養子になっていましたね。共演された松井玲奈さん、奥野瑛太さんの印象はいかがでしたか?
僕は撮影日数が二日間だけだったんですが、お二人とも心温かく迎えてくださって、お芝居じゃないときもすごく親切にしてくださいました。ケンは戦災孤児でずっとひとりぼっちだったところから、僕が演じる成長後は家族ができて一緒にラーメンを作っているという幸せな部分を描いているので、家族の関係性をしっかりと表現しなければいけないと思っていたんですが、お二人の優しさがあったから、自然とその雰囲気を出せたような気がします。
そういえば、僕、撮影が一日だけだと勘違いしていたんですね。その日、先に撮影を終えて現場を出ようとしていた松井さんに、「僕、きょうクランクアップなんです。お疲れさまでした」とあいさつをしたら、「え? ケンまだクランクアップじゃないよ」って、まさかの松井さんにスケジュールを教わるという(笑)。もう一日あるといううれしさと、松井さんに教えてもらうという恥ずかしさで複雑な気持ちでした(笑)。
――ビジュアルもすごくはまっていました!
それもすごく不安だったんですけど、意外とケンがちゃんと成長できたふうになったのかなと。撮影前に役作りで髪を切ったんですけど、ここまで短髪にしたことがなくて、短髪にハマりました。すごい楽なんですよ! でも、これからどんな役をいただくか分からないので、また伸ばしているところです。
――朝ドラの現場、印象的だったことは?
カメラの台数の多さですかね。今までの作品は2台くらいだったんですけど、朝ドラは4台くらいあるんですね。役者一人ひとりを抜いているカメラと全体を撮っているカメラがあって一気に撮影するので、スタッフさんは段取りが忙しいだろうなと思いました。一気に撮ると、やっぱり早いですね。
あとはラーメン屋ということで、NHKさんに練習の場を用意していただいて、包丁の練習もしました。僕は普段から自炊しているので、わりと問題なくできたと思っています。
――今後のシーンで、主演の窪田正孝さんとのからみはあるんですか?
共演するのは1シーンあります。せりふを交わすことはなかったんですが、合間に窪田さんが話し掛けてくださって。「ケン、こんなに大きくなったんだねー」「家族がいっぱい食べさせたんでしょうね」って温かい会話をしたのを覚えています。一日しかご一緒できてないんですけど、すごくすてきな方でした。
――松大さんのクランクアップの日が、オールアップの日だったそうですね。
そうなんです。窪田さん、二階堂(ふみ)さんをはじめとしたキャストの方々やスタッフの皆さんは約1年間、撮影期間を共にしているので、二日間しか関わっていない僕がその場にいるのは少し図々しいような気がしていました。でも、貴重な日に立ち会えたのはとても光栄なことだと思っています。
――話は変わりますが、ことしのステイホームの時期はどんなことをされていたんですか?
電子ピアノを買って、家で練習していました。もともと、バイオリンとピアノの音楽を聴くのが好きで、自分でもピアノをやってみたいと思っていたんです。最初は「エリーゼのために」から始めて、その後、米津玄師さんの「海の幽霊」、「天空の城ラピュタ」の「君をのせて」に挑んでます。そのとき好きな曲や気になる曲を弾きたいと思うので、ジャンルはバラバラですね。今もYouTubeを見ながら練習を続けています。
――2020年はドラマ「GARO -VERSUS ROAD-」の主演から始まりましたが、その後、お仕事にも新型コロナの影響が大きかったと思います。振り返っていかがですか?
「GARO」では長い期間をかけて自分が主演という立場でやる経験もできましたし、朝ドラや「ドクターY―」(2020年テレビ朝日系)とか、多くの人が見てくださる作品に出演するという経験もできたので、自分の中では濃い年だったと思います。それに、仕事のこと、将来のことなど、考える時間もたくさんとれて、有意義だったなと思います。
――2021年の目標は?
今、ダンス、殺陣、ボクシング、アクション、中国語など、習い事を結構やらせてもらっているんですね。それを人前でも自信を持って披露できるようになりたい、というのが来年の目標かもしれません。どんなお仕事がきても、何を言われても「できます」と言えるような準備をしておきたいです。
それに、体ももっと鍛えたいですね。今までは痩せた方がいい役が多かったので、ずっとダイエットをしていたんですが、最近、事務所の社長から「もっと筋肉をつけていい」というお許しをいただいたので、マッチョな体を目指して、筋トレを頑張ります。
まつだい・こうや=1999年9月4日生まれ、三重県出身。
連続テレビ小説「エール」(毎週月~土、朝8:00-8:15ほかNHK総合ほか)に出演中。
ほか、「ドクターY~外科医・加地秀樹~」(2020年テレビ朝日系)などに出演。
主演ドラマ「GARO -VERSUS ROAD-」のBlu-ray&DVDが12月2日(水)に発売。
取材・文=Rum
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