仲野太賀、柳葉敏郎との共演に感慨「秋田の人にとってのナマハゲは、僕にとっては柳葉敏郎さん(笑)」

2020/11/21 20:18 配信

映画

主演を務める仲野太賀※ザテレビジョン撮影


主人公・たすくの妻“ことね”を演じた吉岡は母親役にも挑戦。「出産経験がないので、本当のところはどうなのか分からないことばかりでした。でも、娘役の子が、役者ではなくて秋田の子で、“子どもらしい子ども”というとおかしいですけど、存在がすごく自然体なので、役づくりにその子が力を貸してくれたなって思います」と振り返る。

続けて「最初、なかなか笑ってくれなくて、『どうやって笑わせよう?』とか、変顔をしてみてもスンとしているので『どうやったら喜んでくれるのかな?』ってすごく考えましたし、とっても楽しかったです」と試行錯誤しながらも“母親役”に手応えを感じた様子。

なお、同作は秋田出身の佐藤監督が秋田を舞台にした映画を撮ったということで、それぞれの“ふるさと自慢”をフリップに書いて発表することに。

東京出身の仲野が書いたのは「出会い」。「東京以外に住んだことがないので分からない部分がありますけど、東京には出会いもあるし、別れもある。僕の周りには誰もいないかもと途方に暮れた先にも手を差しのべてくれる人がいる。あと、街を歩いてたら芸能人に会いますよね。それは東京だなって思います(笑)」と理由を話した。

京都出身の吉岡は「観光地が激近」。「遠出しなくていいんです。家族とかで、『ちょっと嵐山に行こう。渡月橋を渡って、ボートに乗って』、もう旅行したねって気分になります。街の人たちが観光地であることに誇りを持ってる感じがすごくあって、人に来てもらいたいし、人を招き入れる体制が出来上がってるのが面白いなって思います」と京都の良さをアピール。

仲野と同じ東京出身の寛一郎は「帰る田舎が無い」。「東京出身なので田舎がないんですけど、いいところは“家族にすぐに会える”ということ。でも、帰る田舎がある人がうらやましいなとも思いますね。今回、秋田とかロケで地方に行けるのはすごく楽しかったです」とその理由を明かした。

秋田出身の柳葉が書いたのは「柳葉敏郎」。「監督の名前にするか悩んだんですけど、うそっぽく聞こえたらいかんなぁって思って(笑)。この柳葉敏郎を育ててくれた、それだけ心が広い人たちがそこにいるのでぜひ遊びに来てください!」と話すと、佐藤監督も「前に柳葉さんと一緒にお仕事をした時、『秋田の若者が頑張っているなら、いつでも力になる』とおっしゃってくれて、それで今回、(「ナマハゲ存続の会」会長の)夏井さん役は柳葉さんに、と決めました」と柳葉の地元愛の強さを感じたエピソードを披露。

さらに、「この映画の初日、唯一秋田県が『鬼滅の刃』に勝ったみたいです」と報告すると、会場から大きな拍手が起こった。

最後は仲野が「数年前から動き出したこの企画が、少しずついろんな人を巻き込んで大きくなっていって、一緒に舞台あいさつに立っていただいてる吉岡さん、寛一郎さん、柳葉さんをはじめ、たくさんのキャストの方が覚悟をもって、カメラの前で、僕の前でも本気でいてくれて、並々ならぬ思いがこの作品に詰まっています。

たくさんの人の前で今日という日を迎えられて、本当に胸を張ってこの作品を送り出したいと思っています」というメッセージを伝え、舞台あいさつを締めくくった。


◆取材・文・撮影=田中隆信