“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」(NHK総合ほか)の最終週が11月23日〜27日に放送された。裕一(窪田正孝)は栄えある1964東京オリンピックの開会式の曲「オリンピック・マーチ」を手掛け、物語の盛り上がりはマックスに。そして本編最終回である27日は、出演者たちが裕一のモデル古関裕而の名曲メドレーを歌う特別編となった。今回は“コロナ禍”を乗り越え大団円を迎えた「エール」最終週を、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)
「エール」24週のサブタイトルは本タイトルと同じ「エール」。それだけの想いがこもった力作週だった。
紆余曲折を経て、裕一は、娘・華(古川琴音)がロカビリー歌手の霧島アキラ(宮沢氷魚)と結婚することを許し、音(二階堂ふみ)がクリスマス会で歌った聖マリア園で、結婚パーティーが催される。アキラがバンド仲間とともにロカビリーを歌い、出席者は新時代の音楽でゆかいに踊る。
「僕たちの人生も終わりに近づいたな」としんみりする裕一に音が「私はまだある気がしますけど」と言うと、その予感は当たり、1964東京オリンピックの開会式の曲を依頼される。
裕一は勇んで引き受けたものの、なかなか曲ができない。盟友の木枯(野田洋次郎)は「たぶん自分のなかで楽しんでいるんじゃないかな」と裕一の気持ちを慮る。
裕一は、昔からの仲間、木枯や鉄男(中村蒼)や久志(山崎育三郎)たちと飲んでしゃべって、
「なによりも尊いのはさ 人と人の繋がりだと思う。僕はそれを曲にこめたい」と「オリンピック・マーチ」を完成させて、開会式に出席する。開会式のドタバタは第1話の通り。