――加倉井は泥まみれ、血塗れの危険なシーンが多かったですよね。
渡辺:こんなに激しい作品だったかな? と、途中でお引き受けしたことを後悔したこともありました(笑)。しかし、僕が演じる加倉井はヒーローではなく、外科医が罪を着せられた末に逃亡するので、華麗な動きは求められていない。ですので、基本的にはアクションも全部自分でやらせていただきました。ただ、俳優というのはちょっとどこかおかしくなっているのか、初めて経験するアクションシーンでは興奮しました。後編で出てくるのですが、走る電車の中での激しいアクションを求められたんです。入念な準備をし、格闘相手とも何度も手合わせし、止まっている電車でリハもしてから本番に臨んだのですが、相手もデカかったので、つり革や手すりにガンガン当たるんです。
――止まっている状態とは、全然違うものなのですか?
渡辺:全然違いました。疾走している状態だと通常だと届く距離でも届かなくなるので、腕を無理に伸ばさないといけなくなる。思ったよりGが掛かっているので、飛ばされる時にも思った以上に飛ぶ。かなり面白い絵が撮れた気がしています。
――保坂は常に冷静な人物ですが、渡辺さんのように興奮したシーンはありましたか?
豊川:加倉井のことを保坂なりに解釈していって、真実はこういうことなんだろうなと感じ出してから、警察内部でぶつかるシーンです。彼が考え方を変えてシフトしていくシーンで、一番気持ちが高まりました。
渡辺:彼はあくまでもクールだから(笑)。
豊川:(笑)。
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