主人公のみつ子は31歳。大九監督は「29歳から30歳になる時、すごく不安でした」と振り返って話したが、2021年4月に30歳になる宇垣は「周りの先輩に恵まれていて、『30歳になったらもっと楽になる』『40歳になったらもう最高!』ってみんなが言うので、(30歳になることは)ヤッター!って気持ちです(笑)」とポジティブに考えていることを明かした。
みつ子と同じように「脳内に相談役がいるのか」と尋ねられると「相談役というか、ハッパをかけてくれる人がいるので『やれ!やれ!』と言ってくれます(笑)」と回答。
さらに「脳内相談役は必要ですか?」と聞かれると「その瞬間瞬間に友達に聞けるわけではないですし、友達は私ではないので、自問自答して、自分と会話して『どうする?』『ああするか』っていうことをやりとりせざるを得ないのかなって思います。
私は自分の中で脳内会議みたいな感じで要点を絞ってます。『やっぱりこっち』『いや、こっちに行こう』と自分の中で整理するためにもなんとなくの脳内の友達を作って、その人と話してますし、みんなもしてるんじゃないかなと思います」と冷静に分析。
このイベントはLINE LIVEで生配信されているということで、「おひとり様がいいか? おふたり様がいいか?」というアンケートを行うと、拮抗しながらも“おふたり様”がやや多いという結果に。
大九監督は「何人の家族になろうが、何人と仕事をしてようが、常にひとりであるという感覚がぬぐえた時がないんです。恋愛するから“おふたり様”かというとそうでもないし、何とも言えないですけど、恋はしないよりした方がいいと思います。チャンスがあればした方が」と自身の思うところを話した。
宇垣は「私も監督と同じような感覚を持っていて、ひとりでいるのは途轍もなく孤独なんですが、ビックリするぐらい自由です。その楽しみがある一方、どれだけ人と一緒にいても芯から分かり合えることは絶対にできないと思っています。
ただ、たまに指が触れ合うような、伸ばした伸ばした伸ばした手の先がちょっとだけ触れる瞬間があって。そういう『あぁ、人と一緒にいて良かった』とか『手をすごく伸ばして良かった』という瞬間があるので、人と何か向き合うことや恋愛をする根元の力になるのかなって。
それがあるから人と一緒にいられるんだと思います。分かり合えることはないけれど、たまにあるから(笑)。違う生き物ですから」と持論を展開。
最後は、宇垣が「この映画、たくさん笑えて、でもグサっと刺さる部分もあって。見た後、また明日から社会で生きていくことを頑張ろう!と背中を押してもらえる作品になっていると思います。このような時代だからこそ、人と人との距離をどうしても取らないといけない時代だからこそ、人と生きていくってどういうことなのかをあらためて考えさせる映画です」と、作品の魅力を伝えて締めくくった。
映画「私をくいとめて」は12月18日(金)より全国公開。
◆取材・文・撮影=田中隆信
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