「役作りにおいて注意したことは?」と聞かれ、山口は「田渕さんに、私たちが出演するということを踏まえて(脚本を)書いていただいたので、注意するよりも喜びの方が大きかったです」と答えるが、浦井は「演出の山田さんに注意されたことはあります(笑)」と言って、「3人が仲良過ぎて、それが(芝居に)出てしまっていると注意されました(笑)」と、キャスト同士の仲の良さをアピール。
また、保坂も「お芝居が自然になっていくほど、気を付けないと仲の良さが出てしまうんです」と同意。山口が「じゃあ、今回のテーマは『みんなで仲良くならない』ということで(笑)」と提案するが、「無理ですよ(笑)」と浦井が食い気味に否定。
そんなやりとりがあって、保坂が「このお二人(山口と浦井)が異常に仲いいんですよ」と発言するが、山口に「異常? いろんな意味合いがあるので気を付けておっしゃっていただきたい(笑)」と注意され、「健治さんの“山口さん愛”とか、山口さんが健治さんをいつも見守るみたいな、その構図がすてきだなと思いました(笑)」と“気を付けて”言い直した。
稽古場に何度か足を運んだ大塚も「お稽古場は本当に居心地が良くて。一瞬、親戚の集まりなのかな?って錯覚するぐらいの居心地の良さでした(笑)」と仲の良さを証明。
浦井はリスペクトする先輩たちとの共演で、「このお二方はレジェンドなんです。ミュージカル界を背負ってこられて、今もみんなを引っ張ってくれている憧れの人。その二人がざっくばらんに過去の、ここでは言えないようなさまざまなお話を、それはそれは楽しげにお話していただいて、演劇界ってすごいことがあったんだなぁって思いましたし、そのままエッセー本にしたいくらいです(笑)。
それを僕らに話してくれることが、実はすごく勉強になったり、励みになったりするので、この環境自体が最高だなって思いました」とたくさんの刺激を受けたと明かした。
最後は、山口が「このメンバーに田渕さんが脚本を書いてくださって、僕たちと一緒にいろんな芝居を作ってきた山田さんがそれぞれの個性を伸ばしてくださって、『そんなに仲良くなっちゃ困る』と言われるぐらいのチームワークを持ったメンバーでやれる。とても魅力的な作品になっております。
お客様からはいろんなメッセージを頂いてます。『最近笑ったことがないんです』というメッセージも多いのですが、非日常が日常となった今、どうか劇場で温かさを感じてもらって、そして『あ、今日私笑った』って一回でもいいから、そんなふうになればいいなという思いで、この作品の初日を迎えたいと思います」と熱い意気込みと温かいメッセージを届け、囲み取材を締めくくり、取材後にはゲネプロも公開した。
舞台「オトコ・フタリ」は東京・日比谷シアタークリエで12月12日(土)から30日(水)まで上演。
2021年1月には大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、愛知・刈谷市総合文化センターアイリスでの上演も予定されている。
◆取材・文・撮影=田中隆信
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