2017年にモーニング娘。を卒業し、以降は女優として活動している工藤遥。大正時代、富山の貧しい漁村で暮らす女性・おかか(=女房の意)たちが起こした米騒動を映画化した「大コメ騒動」では、おかかたちの子どもを預かる私塾の先生・池田雪役に。これが初めての時代劇となった彼女に、撮影で感じたこと、女優として学んだことを聞いた。
――この映画は史実が基になっていますが、工藤さん自身、“米騒動”はご存知でしたか?
お恥ずかしい話ですが、「社会の教科書に載っていたな」という認識しかありませんでした。今回の作品に参加させていただいたことで、米騒動にもいろいろあって、その背景や裏側にはこんなエピソードがあったんだという、貴重な歴史のお勉強をさせていただきました。
――最初に出演オファーがあったときには、どう思いましたか?
最初は(米騒動を起こす)おかかたちの話だと聞いていたので、私ものその一員なのかなと思いました。そうしたら(この映画では数少ない)裕福な家庭で育った品のいい先生役だったので、まずはそこに驚きました。
――確かに、モーニング娘。時代のイメージがあって、工藤さんにボーイッシュな印象を持たれている方も多いかもしれません。
そうですよね(笑)。今までの私のイメージでいけば、おかかたちと米騒動を起こす側の役柄だったと思います。ですが、今回はいい家育ちのお嬢様なので、しっとりと(笑)。
――そのしっとり具合もハマっていました(笑)。かつ、子どもたちを教える先生ということで、雪は自分の意見をしっかりと持っている凛とした女性でしたね。
(雪の教えている)池田模範堂の生徒たちは、小学生よりも幼い幼稚園や保育園に通うような子どもたちが多かったので、しっかりお姉さんでいなければいけないと思いましたし、(たとえ演技であっても)言葉にウソがあってはいけないなと思いました。本当に子どもたちの目が真っすぐなので、そこは演じていてもドキドキしました。
――その中で、生徒から「お母さんは毎日一生懸命に働いてくれているのに、なんで僕たちはおコメをお腹いっぱい食べられないのか」と問われる場面がありました。あそこは雪先生(=工藤)としても答えるのがつらいシーンだったと思うのですが。
私なら「どうしてなんだろうね…」と言葉を濁してしまいそうですが、雪先生はちゃんと子供たちにも分かりやすいように答えてあげるんですね。それは彼女が直接的には関わらなくても、おかかたちの米騒動に真剣に向き合っていたからだと思います。そういう意味では、雪もおかかたちと同じ土俵に立って闘っていたのだと思うし、そこは雪を演じていてもうれしいところでした。
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