小澤征悦、海外ドラマ出演で“兄貴”と慕う俳優とは?

2017/02/28 08:00 配信

ドラマ インタビュー


──小澤さんは'16年に映画「JUKAI─樹海─」でハリウッドデビューされましたが、海外進出のきっかけを教えてください。

自分が初めて芝居に触れたのは21歳のころで、ボストン大学に1年間留学していた時だったんです。英語のための留学だったんですけど、昔から映画が好きだったので、映画を撮る勉強もしました。その流れで芝居の勉強を始めて、今の仕事につながったんです。なので、海外への夢というか、海外の役者業という世界もあるんだよなということは、ずっと心の中にありました。

とは言え、まずはベースとなるものを作らないといけなかったので、日本でがむしゃらにやって。それで30代半ばになった時に、海外の作品にチャレンジしてもいいんじゃないかということになりました。今は世界がどんどん狭くなって、簡単に情報も手に入りますからね。実は「JUKAI」の前に、何度もオーディションを受けて、何回も落ちているんです。そういうことを経てハリウッドデビューをして、今回のドラマ作品があるわけなので、「ローマは一日にして成らず」という感じでしょうか?

──今回、吹き替え版ではご自身の英語のセリフを日本語に吹き替えていますが、いかがでしたか?

英語と日本語ではセリフの長さが違いますし、抑揚も違いますからね。片耳に付けたイヤホンから自分の英語のセリフが聞こえてきて、それに日本語のセリフをかぶせていくのですが、元の声がものすごく耳障りなんです(笑)。初めての体験でしたね。

僕は自分が吹き替えをする時には、周りのセリフも日本語になっていると思い込んでいました。でも、いざアフレコに行ったら、収録は僕が最初ですと言われて(笑)。撮影時には周りの人と同じように英語で喋っていたのに、今度は英語のセリフに日本語で返さなくちゃいけない。すごく難しかったです。

──ところで、劇中には「自殺は日本の文化の一つだ」というセリフが出てきます。日本人の感覚とは少しずれているかなと思うのですが、小澤さんはどう感じられましたか?

そのセリフは、僕も言いたくはなかったんですけどね…。でも一役者として、僕はそれに意見する立場ではないと思いました。僕たちだって、海外の文化について勘違いしていることはたくさんありますからね。そこは割り切って、「頑張ろう」って(笑)。

今回の作品で描かれていることは、「本当の日本人とはちょっと違うんだけどな」と思うところはあっても、決して全てがうそではないですから。「富士の樹海」だったり、「うば捨て」の文化だったり。

一つの面を切り取っていると捉えていただけたらと思います。作品としては、すごく面白くなっています。

──樹海のシーンは、どこで撮影されたのですか?

ロスの住宅街にある公園です。日本人街もあるので、撮影は全部ロスでした。築地のシーンも、セットを作っていましたしね。何でも作っちゃうんです。

劇中でチームが移動に使う飛行機は、後ろ半分を作っています。実際に動くんですよ。それ一つで7000万円と聞きました。そういう点でも、恵まれた環境で参加させてもらえたなと思いますね。

ただ、7000万円なのに結構滑るんですよ。そこはもう少し、どうにかしてほしかったかな(笑)。

小澤が「実際に動くんですよ。ただ、7000万円掛けているのに結構滑るんです」と明かす飛行機のセット(C) ABC Studios


──今後はどのような作品にチャレンジしたいですか?

難しいですね…。役者というのは、とにかく人や作品との縁が大事なので。超モテモテのエリートマンの役もやってみたいし、殺人鬼もやってみたい。もっと年齢を重ねたら、孫をかわいがるすてきなおじいさんの役もやってみたい。チャレンジしたい役はたくさんあるんです。

一度、心が女性である男性を研究したことがあります。指先や肩、顎など体の“末端”の仕草を意識すると、途端にそう見えてくるんですよね。そうやっていろんなことに興味を持っているのは、面白いことだと思います。