脚本賞は「共演NG」 大根仁氏は劇中ドラマに『自分だったら絶対やだ』【受賞インタビュー前編】

2021/02/19 18:01 配信

ドラマ

中井貴一と鈴木京香が「共演NG」(C)「共演NG」製作委員会

「この劇中ドラマを誰が考えついたのか」から市原龍(斎藤工)が誕生

――「共演NG」は、どこまでが秋元さんの案で、どこからが大根さんの創作なのでしょうか?

2020年4月に突然、秋元さんから連絡がきて、「テレ東でこういう企画があるんだけど興味ない?」と話を振られました。そのとき聞いたのは、中井貴一さんと鈴木京香さんの主演で「共演NG」というタイトル、長年共演NGだった二人が共演する、という話だけだったんですが、直感的にドラマ業界を舞台にしたラブコメは面白そうだなというのと、中井さんと鈴木さんは大好きな俳優なので演出してみたいなと。その後、秋元さんが書かれた企画書とプロットを読み、「脚本は書いていいよ」とのことで脚本も引き受けました。

――連続ドラマの舞台裏のドタバタを描いていく、という基本設定は原案にあったんですね。

そうですね。ただ、秋元さんのプロットでは全10話だったのが、いろんな都合によって全6話になったので、最初の場面から自分で再構築しました。ただ、会見で二人が25年ぶりに再会するところと、ラストで英二(中井)が瞳(鈴木)に「俺たちはずっと共演NGだ。これ以上共演すると、本当に好きになってしまうから」と言うセリフ。その2箇所だけは、プロットのまま守ろうと思って書き始めました。

――脚本を書く上で苦労したのはどんなところですか。

いざ書き始めたら、「共演NGのキャストばかりが集まるこんなドラマ、自分が監督だったら絶対やだ」と(笑)。この劇中ドラマを誰が考えついたのかという答えが見つからなくて、筆が止まってしまいました。一緒に脚本を作った樋口さんと「こんなめんどくせえ企画誰が考えたんすかね」「秋元さんじゃない?」「そうか、秋元さんか」と話し合い、秋元康的な存在の市原龍(斎藤工)を思いつきました。そこから全体の構造が見えてきましたね。

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