脚本賞は「共演NG」 大根仁氏は劇中ドラマに『自分だったら絶対やだ』【受賞インタビュー前編】

2021/02/19 18:01 配信

ドラマ

中井貴一と鈴木京香が「共演NG」(C)「共演NG」製作委員会

原案はあったけれど、半ばオリジナル脚本のように…

――原案から、ありえない設定と現実をリンクさせていったんですね。

秋元さんの原案はあったけれど、半ばオリジナル脚本みたいになってしまった。完成するまでは、プロデューサーの稲田秀樹さんも交えて樋口さんと作っていきました。秋元さんはある程度進んだところから「あとは任せるよ」と。だから原案を考えた人なのに「来週どうなるんだ?」みたいな感想が毎回送られてきて。実は、秋元さんが一番楽しんでいたんじゃないかな(笑)。

――第7話に相当する「特別編」で市原龍が言った「脚本、キャスティング、業界のしがらみ、あらゆる忖度(そんたく)、制約が邪魔をして優秀なクリエイターが挑戦できないている。だから、それを取り除いた状態でこのドラマを作りたかった」というセリフが印象的でした。あれは大根さんの考えを代弁していたのでしょうか?

いえいえ、あれは市原龍が言っていることなので(笑)。僕がドラマ業界について何にも思ってないわけではないですけれども。実は、元々第1話は市原龍のインタビューから始まる設定だったんです。でも、もうちょっと軽めに入りたいなと思ってカットしちゃったんですね。その後、編成の都合で特別編を作ってくれと言われたので、本編で描き切れなかった市原の本心を語らせることにして、そのセリフが復活しました。
<受賞インタビュー後編に続く>

(取材・文=小田慶子)

関連番組