舘ひろしの役者道 恩人・渡哲也さんの存在と転機となった“二つの作品”

2021/02/27 07:45 配信

芸能一般 コラム

舘ひろし撮影=永田正雄

今年1月、「石原軍団」の愛称で親しまれてきた石原プロモーションが解散し、その業務を終えた。そんな中で今なお、現役バリバリのダンディな魅力を発散させ、今春、出演した映画「ヤクザと家族 The Family」も公開されたのが舘ひろしだ。意外にも初めてのヤクザ役だという。

「恐ろしいほどの大物になるか、とんでもなくダメになるか」意外な俳優デビュー前


舘ひろしは、医者の家に生まれた。将来は医者になることを期待されていたが、医学部の受験に失敗し、医者になれない現実を突きつけられた。

それが最初の転機だった。「あとはもう“どうにでもなれ”という人生」(「クランクイン!」2018年5月6日)だったと自嘲する。舘は建築家を目指し大学に通う傍ら、原宿のジーンズメーカー「GRASS」でバイトを始める。その同僚にのちのドン小西がいた。

舘はそこで、あべ静江や山本リンダの服をオーダーメイドでデザイン。ミュージカル「HAIR」の舞台衣装も担当。早朝、小西が出社すると、バイクの上で裸になり、サンオイルを塗って日焼けしていたこともあった。

それを見た小西は、「恐ろしいほどの大物になるか、とんでもなくダメになるか」と思ったという(「太田上田のカメラ回さないので見せてもらっていいですか?」2020年1月4日)。そんなバイク好きの舘はやがて岩城滉一らとバイクチーム「クールス」を結成。キャロルの親衛隊として名を馳せ、ボーカルとしてレコードデビューも果たした。