単発ドラマには“挑戦的なイメージ”を持っていましたが、今回は、まさにそのイメージをそのまま絵に書いたような作品です。台本を読みながらも、暴走するジェットコースターのような展開に「シリアスに向き合えば向き合うほど、度を超した刺激の振り幅が増し面白くなる愛の物語」だと感じ、その思いを持って早く現場に入りたい一心でした。
いざ撮影が始まると、開けてはいけないパンドラの箱を何度も開けてしまうシチュエーションに耐えきれず、こんなにも本番中に笑ってしまった現場は初めてです(笑)。基本的にはシリアスな感情を軸に演じました。ただ、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」というチャーリー・チャップリンの名言にあるように、今作品は各登場人物が分別を失うほどに感情に左右され、主観に入り欲に溺れる滑稽な姿が、見てはいけない他人の性を手で顔を覆いながらも隙間から見てしまいたくなるように面白いんです。
実を言うと、僕は一時期いろんな作品を断り続けた結果、「あれもやっておけば、もう少し自分の感性の何かが広がったんじゃないか…」と考える時期がありました。今は「さまざまな作品に挑戦し自分を試してみたい」という好奇心に駆られているのですが、今回は「ここまで自分を楽しめるようになったのか!」と驚くほど、出演作の振り幅を感じるすさまじい作品となりました。
温かい共演者とスタッフに恵まれ、お客さまが見たいであろう刺激的な禁断のエンターテインメントを目指しました。「殴り愛」というタイトル通り、画面からしっとり滴がこぼれるような愛情表現、豪快な感情と肉体のぶつかり合いを、ぜひお見逃しなくお楽しみください。
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