菅田将暉、RPGの「勇者」のように仲間を集めて闘う「表現者」【てれびのスキマ】

2021/03/09 21:26 配信

芸能一般 コラム

菅田将暉※2020年ザテレビジョン撮影

“自分”を出し、 “伝えよう”ー音楽活動を本格的に始動


俳優は基本的に受け身の職業だ。よく「映画は監督のもの、ドラマは脚本家のもの」と言われるように、監督や脚本家の思いを体現するもの。自分が“伝えたいこと”を表現する余地は少ないし、“自分”を消し、役に殉じることが美徳とされることも多い。けれど、菅田将暉は“自分”を出し、“伝えよう”とすることに躊躇しなくなった。ラジオ「菅田将暉のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)を始めたり、米津玄師やあいみょん、石崎ひゅーいらと出会い音楽活動を本格的に始めたのと無縁ではないだろう。

「作り手も、受け手も、もっと勉強しなきゃいけないし、もっと楽しまなきゃいけないと思うんです。このままだといろんなものがなくなるし、実際すでになくなってきている。それはなんとなくみんなわかってるけど、誰もなにもしないし、できない。『じゃあ、そのままにしときます?どうします? 』っていうことを考えたり、提示したりしなきゃいけない」(「CINRA.NET」前出)。

菅田将暉はRPGの「勇者」のように、一緒に冒険する同世代の仲間たちを集めながら、「表現者」として闘おうとしている。

文=てれびのスキマ
1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌やWEBでテレビに関する連載多数。著書に「1989年のテレビっ子」、「タモリ学」など。近著に「全部やれ。日本テレビえげつない勝ち方」

※『月刊ザテレビジョン』2020年1月号