長谷川博己、演技の中で“王道”と“アングラ”の化学反応を見せる【てれびのスキマ】

2021/03/11 15:15 配信

芸能一般 コラム

長谷川博己※ザテレビジョン2017年撮影

早口な台詞回しと“狂気”的なその表情


そして2020年、ついに大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合ほか)で主演に起用され、明智光秀を演じる。

多くの作品で長谷川は、早口な台詞回しを求められている。専門用語を駆使した台詞を矢継ぎ早に話す「シン・ゴジラ」を筆頭に、「デートー」や「鈴木先生」「地獄でなぜ悪い」などでもその滑舌の良さと聞き取りやすい声質を武器に早口が冴え渡った。頭の中のめくるめく思考が溢れ出てくるかのような早口。彼の“知性的”というイメージはそんなところから出てくるのだろう。

そしてもうひとつ共通するのは“狂気”だ。たとえば「まんぷく」で、ついに即席カップ麺を完成させたとき「できた!」と笑うその表情は、“マッドサイエンティスト”的な危なさを醸し出している。それは彼の代表作のほとんどの作品でも感じるものだ。