<レッドアイズ>忍成修吾“蠣崎”はすぐいなくなるはずのキャラクターだった?脚本家が明かす誕生秘話

2021/03/12 12:00 配信

ドラマ

「レッドアイズ 監視捜査班」の脚本家・酒井雅秋氏が誕生秘話を明かす(C)NTV

──スリリングな事件の展開はもちろんですが、どのキャラクターも魅力的に描かれている人間ドラマとしての見どころが、話数を重ねる毎に増していると評判です。描くうえで大切にされていることはありますか?

レッドアイズのようにスピード感を重視する物語は、説明的なセリフが多くなると展開が停滞してしまう印象があるので、キャラクターの性格や心情、バックボーンなどは、ストーリー上の出来事に対するリアクションを通して描いていくのが理想だと思っています。

だから出来るだけ早く事件を起こして、例えば「誰かが襲われた」とか「こういう危機があるんだ」という展開の中で、それぞれのキャラクターがどんなリアクションをとるのか?どんな気持ちになるのか?そうしたところを出来る限り丁寧に拾いあげて、そのキャラクターを描いていくことを目指しました。

亀梨和也さん演じる伏見も、1話では心情を説明するセリフはほとんどありません。だからこそ、本音を語る瞬間が映えるシーンになるというか…脚本家としては、書くのが難しいところでもあるんですが(笑)

──実際に演じているのを見て、印象的だったシーンはありますか?

1話の終盤で、伏見が恋人を殺したとおぼしき犯人に怒りをぶつけて殺そうとするも踏みとどまるシーンです。伏見はなぜ踏みとどまれたのか?その心情を吐露する伏見のセリフは、このシーンにはありません。台本上は空白になっている部分を、亀梨さんが繊細な演技で肉付けして下さっていて、それがすごく頼もしく感じました。

あれはもう、僕の脚本の力ではないんですよね。セリフがない中で、アクションと連動して心情を描くシークエンスになっていたので、亀梨さんを始めとした現場の皆さんの力が素晴らしいなと感動しました。