そもそも、寿一は反抗期をこじらせて家を出た後、プロレスに夢中になり、一度は能の世界から遠ざかった男。観山家に戻って寿三郎の介護を一手に引き受けると決めたのは自分だったため、今回、父を自分で介護できていないと自覚したのは、相当悔しかったであろう。
寿三郎をグループホームへ見送るとき、寿一の顔はマスクで見えないが、涙でぐちゃぐちゃなのが一目瞭然。悔しさと寂しさが入り混じる寿一と一緒に泣いてしまった視聴者も多い。
Twitterには、介護経験者や高齢者と関わる仕事に就いている方の声もよく上がる。「どれだけ準備をしていても、予想を超える出来事が起こるのが介護の世界」「介護者の病気や体調不良で、介護が行き届かなくなることは大いにあること」など寿一をフォローする意見や、「母を施設に連れて行った日々を思い出して涙が止まらない」「亡くなった父と会いたくなってる」など、見る人それぞれの“俺の”家の話が思い出されるドラマでもある。
次週、第9話は3月19日(金)に放送される。妹弟が去り、寿三郎がグループホームへ入所し、観山家に残った寿一は、ひたすら稽古に励んでいた。そこへ、半年前に家を出た寿限無(桐谷健太)が突然の帰宅。「自分には能しかないと気づいた」と言う寿限無を誘い、寿一は寿三郎のいるグループホームへと出かける。
一方、寿一と結婚を誓い合ったはずのさくら(戸田恵梨香)は、この2週間ほど観山家には行かなかった。能とプロレスが頭の大部分を占め、手を出してこない寿一に不満を覚えていたのだ。同じ頃、踊介(永山絢斗)は週刊誌の記者からある記事を見せられていた。そこには、グループホームの中庭で運動している寿三郎の姿があった。
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