日高から真相を聞いた後、朔也を前にした彩子は、顔を見るなりぶん殴った。病気で消えそうな命の朔也にも容赦しない彩子。「あんたは空集合なんかじゃないんだからね!ちゃんといるんだからね、あんたのこと好きで心配して、そうやって守ってやろうっていう人間が」と怒りと悔しさ、虚しさの入り混じる思いを、彩子は泣きながら伝えた。
この彩子のセリフには、居ても居なくても同じ、つまり“空集合”である人間はいないという強い思いが込められており、殺人の処理を担った日高が朔也を“空集合なんかではない”と唯一願っていた人間であったという重みが伝わるシーンであった。
朔也がひん死状態になる中、警察がフェリーに到着。日高は彩子にナイフを突きつけ、小声で「僕を追ってください」と伝えて逃走した。船の先端まで追った彩子は「どうするかは私が決めるって言ったでしょ!」と馬乗りになったが、日高は「捕まるならあなたが良かった」とほほ笑みを浮かべ「何も2人して地獄に行くことはありませんよ」と言った。
刑事と容疑者として入れ替わった2人は、事件の真相を追ううちに、互いの境遇や本心を理解し合うようになっていた。
「絶対に助けるから」と言う彩子に、日高は「待ってます」と答え、日高に手錠がかけられた。ところが、追いついた河原(北村一輝)は「ようがんばったなあ、猿芝居」と彩子の手にも手錠をかけたのである。彩子も日高も捕まってしまったという衝撃のラストとなり、次週いよいよ最終話を迎える。
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