亀梨和也主演ドラマ「レッドアイズ」脚本家が語る “聞き込みをしない”刑事ドラマへの挑戦

2021/03/19 12:00 配信

ドラマ

亀梨和也主演ドラマ「レッドアイズ」(C)NTV


──時間が⽌まるシーンというのは例えばどんなシーンなんでしょうか︖

「極端な例ですが、あと数分で爆弾が爆発するという時に、『罪を犯したのは、こんな⾟い理由があったからだ』とか『今までありがとう、実は⾔えなかったけど、こんな想いがあったんだ』とか…そんな切⽻詰まったタイミングで語り合ってたら死んじゃうよ、みたいなシーンでしょうか(笑)。

ちなみにレッドアイズでは、刑事ドラマの定番をあえてやらないことで、時間を⽌めない⼯夫もしました。その定番は『聞き込み』です。普通は聞き込みで犯⼈や被害者の情報を得ていきます。でも今回は監視カメラで事件を捜査していく物語ですし、プロファイリングやハッキングで情報を集め、スピード感のある展開をイメージしていたので、意識してやりませんでした。伏⾒は聞き込みなんかしないで⾛る︕ 誰かを助けるために、とにかく⾛る︕ そんなイメージでした(笑)」

──ついに9話では事件の⿊幕である先⽣=⿃⽻がKSBC(神奈川県警捜査分析センター)に、乗り込んできます。伏⾒の感情に揺さぶりをかけるなど、サスペンスの⾏⽅だけでなく、⼈間ドラマの決着も⼤きな⾒どころです。

「僕は事件ものを執筆する機会が多いので、必然的に多くの殺⼈事件を描いてきました。物語の中とはいえ、これまで結構な⼈数を殺したり、傷つけたりしてきたんです。ある時、そのことに気づいてゾッとしました。だから主⼈公だけでなく、被害者や犯⼈を始め、すべてのキャラクターの感情をできる限り丁寧にすくい上げて、地に⾜のついたキャラクターにしようと⼼がけています。そうすることで、どのキャラクターに対しても感情移⼊してもらえると考えるからです。

『レッドアイズ』では『怖い』とか『⾒ていて⾟い』という視聴者の⽅の感想も⽬にします。⼤切な⼈を傷つけられたり失ったりする痛みは、やはり残酷なものとして捉えられてしまうのかなと⼼苦しく感じる⼀⽅で、痛みを感じてもらえるということは、感情移⼊をしてもらえている証明でもあるので、脚本家としては嬉しいことでもあります。⼤切な⼈を失った痛みや怒り、⼼の軋みを、伏⾒を始めとしたキャラクターたちが、どうやって乗り越えていくのか︖ レッドアイズは愛についての物語でもあると思っています。サスペンスや謎解きだけでなく、⼈間ドラマの部分も是⾮、怖がらないで⾒届けてもらいたら嬉しいです」