3月3日に放送された倉科カナ主演の金曜ナイトドラマ「奪い愛、冬」(テレビ朝日系)が、平均視聴率8.0%を記録。全7話における過去最高の数字を更新し、有終の美を飾った。
また、瞬間最高視聴率は放送終了直前に蘭(水野美紀)が光(倉科)のもとを訪ね、最後に光が不敵な笑みを浮かべたシーンで9.7%だった。(数字は全てビデオリサーチ調べ、関東地区)
最終話は、婚約者だった康太(三浦翔平)と別れ、ようやく“奪い返し”た元恋人・信(大谷亮平)と一緒になる道を選んだ光だったが、信が病で余命わずかであることが判明。
さらに、康太が信の妻である蘭の足が実は自由に動くという、重大な秘密を暴き、4人の間に不穏な空気が流れる。その直後、信がまたしても倒れてしまう。
光から信の健康状態を聞かされ、激しく取り乱した蘭は、何が何でも夫を奪おうと決意。これまで語られることのなかった蘭の“衝撃的な本音”を知った信は、蘭と共に光の前から去ってしまう。
大切な人を失い、ぼうぜんとする光。そんな中、信が康太に光への“決死の伝言”を託してくる。しかし、光を愛する康太にとってはある意味屈辱的な伝言でもあり「そんなことできるわけない」と、跳ねのける。
その後、康太は「すぐに来てくれなきゃ死ぬ」と脅しのような電話を光にかけ、光は慌てて康太の元へ。すると、それは信と引き合わせるための、康太の粋な(?)計らいだった。光はついに信とのんびり暮らすことになる…というストーリーだった。
水野演じる蘭の「うずくのぉ~!」「ここにいるよぉ~!」「むしってやる!」など、強烈なせりふや、恋人を奪われた康太の嫉妬を通り越してむしろ憎悪ともとれるような表情や行動、狂ったような目つきが度々ネットニュースに取り上げられ、放送日にはSNSで実況する人が続出していた本ドラマ。
弊社WEBサイト「ザテレビジョン」が連日発表している「視聴熱」ランキングでも、放送日集計分のデイリーランキングで常に上位にランクインするなど、大きな盛り上がりを見せてきた。
終わってすぐに“蘭さんロス”“康太ロス”といったつぶやきが見られ、新たな関係性での続編を期待する声も大きい。
そんな2人の目に見える怪演ばかりがクローズアップされてきたが、忘れちゃいけないのが、終盤になるにつれて明らかになってきた主人公・光の強さだ。
パッと見、蘭のような強烈なライバルがいたらあっさり引き下がってしまいそうな雰囲気なのに、最後まで愛を信じて前を向き、最終話の最高視聴率を記録したシーンでは、不敵な笑みを浮かべて蘭をビビらせて見せるなど、実は最初から蘭のことを泳がせていたんじゃないか?とすら思わせるほど、強烈な印象を残した。
それは「ここまで敵が多いヒロインはいない」と視聴者からの同情を集めていたのに「本当に怖いのは光じゃん」「最後の笑顔が怖過ぎ!」などと、最終話のオンエア前と後で光に対する世間のイメージがガラッと変わってしまうほど。
最終話の副音声でも、脚本を担当した鈴木おさむ氏が「強くなったんですね。覚醒ですよ」と語り、蘭を演じた水野自身が「やっぱり一番強いのは光である」と“敗北宣言”したように、ラスボス級の登場人物だらけのこのドラマにおいて、“真のラスボス”は倉科演じる主人公・池内光だったのかもしれない。
底知れぬ恐ろしさを持つ光と、執念で子供を身ごもった蘭。ママになった2人による新たなバトルが見られる日を、クローゼットの奥から楽しみに待とう。
※「視聴熱」とは、“「ザテレビジョン」が調べた、今テレビで熱いコト”に迫る新コンテンツのこと。
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