比嘉愛未、佐々部清監督への思い&結婚観を語る「出会いを大事にしたい」<Interview>

2021/04/15 06:30 配信

映画 インタビュー

「川内大綱引」を見守るシーンの裏に佐々部清監督とのエピソードがあった(C)2020映画「大綱引の恋」フィルムパートナーズ

――「佐々部組の一員だな」と声を掛けられたそうですね。

大綱引の恋」は未知なる作品だったので、撮影中はまだまだ未熟だなと思うことがいっぱいありました。でも、こんな私に監督は「佐々部組の一員だな」と声を掛けてくださったんです。尊敬する方から「仲間だよ」「お前よく頑張ったな」と言っていただけたような気がしました。

まだまだだなと思っている中で、やっと一員だなと言ってもらえたような気がしたんです。月並みだけど、この先に希望が見えました。

――比嘉さんでも、先行きが不安だなと思うことが?

ありますよ! 日々、反省の連続で「向いてないな~」と心底思ったりします(笑)。だけど、見てくれる人は見てくれているし、これはご縁だなと思いましたね。

残念ながら今は監督とお別れしてしまって、現実に受け止められないところがありつつも、今も見守っていただいている感覚があります。あの言葉がきっかけで、私自身もこれから一つ一つ真摯に向き合って、恥じないような作品作りをしていかないといけないなと身が引き締まる思いです。

――佐々部監督から学んだことは何ですか?

自分の心の中の情熱に真っすぐに生きる姿勢です。佐々部監督は、現場やプライベートの時間でも飲みながらたくさんいろんな話を語ってくださるんです。昔担当した映画の話とか、高倉健さんがこうだったとか。私たちが全然知らない日本映画の素晴らしい時代の話をしていただいて、聞けば聞くほどワクワクしてくるんです。

そういうのをずっと忘れずに、イキイキワクワクしながら私たちに伝えてくださるので、「あ、こうやって生きていきたいな」と思いました。歳を重ねてたくさんの経験を経ても童心を忘れないというのは、学ぶところがありました。だから佐々部監督ってファンが多くて、一度仕事したらみんなが好きになってしまう方で、人間力がある方です。

大事なコミュニケーション


――「川内大綱引」という一大行事を中心に、さまざまな愛が描かれています。大綱引きのシーンはどんな撮影でしたか?

エキストラの方を1000人ぐらいお呼びして再現したんですけど、私は観客が見守る沿道側に一人でいたんです。なので、普通だったら泣けないんですけど、監督が「ここにいるよ! ここにいるからね!」って、体を張って大声で呼んでくれたんです。なので、クライマックスのシーンでは涙を流すことができました。

――佐々部監督の人柄が分かるエピソードですね。他にも撮影現場でのエピソードはありますか?

川内市のホテルの近くに「綱ごころ」っていう居酒屋があって、そこに行けばほぼほぼ誰かと会うっていうぐらい、毎日みんなが集まっているんです。私含めてみんなのんべえなので、撮影が終わった後はそこがコミュニケーションの場になるんです。そういうことができたからこそ、家族感だったり人間味が作品にも出たんじゃないかなと思います。

――コミュニケーションも大切にされていたと。

佐々部監督がすごく大事にされているんです。部屋に引きこもって台本を読み込むだけがいいわけじゃないってことも、学んだことの一つです。その場の空気を感じ取るには、大事なコミュニケーションだったんだなって。2週間のロケだったので、みんなで歌ったり踊ったり飲んだりしました。

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