比嘉愛未、佐々部清監督への思い&結婚観を語る「出会いを大事にしたい」<Interview>

2021/04/15 06:30 配信

映画 インタビュー

比嘉愛未撮影:金澤正平

――比嘉さんが演じる有馬敦子は、どんな人物ですか?

裏表がなくて、すごく気持ちがいい女性です。有馬家の妹として大切にされてきて、わがままな部分もあるんですけど、福元弦太郎役の中村優一さんと出会うことで、敦子も成長していくんですよね。恋愛って、相手にもよりますけど、良くも悪くもすごく成長できる大きなきっかけになると思っていて、そういった意味で敦子は、いい出会いを経て母になって、短い1時間50分の中で人間としても女性としても成長していくので、演じていて楽しかったです。

――役を通じて、恋愛や結婚観に変化はありましたか?

結婚はまだしてないので難しいですね。でも、人ってどこで転機があるのか分からないなと思いました。敦子もひょんなことから弦太郎と出会いましたし、どこで人が出会って、どこに引かれ合うかって予測不能だけど、突然そういうことが起こるから楽しいなと。

なので、ちゃんとそのアンテナを張ることが大事だなと思います。そうしていれば良きパートナーと言いますか、ソウルメイトに出会えるんじゃないかなと思います。

――恋人だけではなく、ソウルメイトにも出会える可能性があると。

佐々部さんと出会えたのは、そういうご縁があったからだなと思います。75億人いる中で誰かと出会うってすごいじゃないですか。「世間的にいい年齢なんで」って周りに言われるので焦る気持ちもあるけれど、世間じゃなくて自分軸で「この人!」って思える人に出会えたら、その出会いを大事にしたいなと思います。

――最後に読者へメッセージをお願いします。

大綱引の恋」は佐々部監督の遺作となってしまったんですけど、全編通して佐々部清という監督を改めて感じさせてくれる作品になっています。

大綱引の恋」なので恋愛もしているんですけど、それだけじゃなく家族愛とか兄弟愛とかの人間模様も素晴らしいです。それこそ「大綱引」の「綱」って漢字は、ひもとけば一本の「糸」になりますよね。その糸が出会って絡み合って強くなっていくから、繊細な人間の絆が描けたのだと思います。

今はディスタンスが大事にされている時代ですけど、直接会うだけじゃなくて、人に対して目に見えない部分の心でちゃんとつながれるんだってことを伝えてくれる映画になっていて、佐々部監督はそういう思いもあったのかなって考えてしまいますね。

ぜひ、「大綱引の恋」をご覧になっていただいて、そんな思いも感じていただけたらなって思います。

◆取材・文=鳥羽竜世

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