江戸で時代の変わり目へと向かっていく大きなうねりを体感し、目の開かれる思いだったに違いない栄一。訥庵や長七郎との会話の中で初めて徳川慶喜の存在を認識するなど、ここまで別々に描かれてきた栄一と慶喜の世界が交わりはじめる予兆も感じられた。
江戸から戻った後は、農民の立場をより客観的に見ることができるようにもなった。藩の役人に言われるままに人足を出さなければならない現状や、“それが務めだ”の一言で片付けようとする父・市郎右衛門(小林薫)に対する疑問も生まれた。
たった1カ月の遊学だったが、江戸で見聞を広め、幕府が作り上げた身分制度へも疑問を持つに至った栄一。「江戸では、この世を動かすのは何もお武家様だけじゃねえってことを学んだんだ。俺たちだって風を起こせる」という気づきは、かつて幼い栄一(幼少期役/小林優仁)が口にした「俺が守ってやんべえ、この国を!」という決意に通じる。
そうこうするうち江戸では坂下門外の変が起こり、河野が命を散らした。こうした出来事に触発され、栄一の人生にも今後さらなる時代の風が吹き荒れていく。
4月25日(日)は、サブタイトルから初めて“栄一”の文字を外した第11回「横濱焼き討ち計画」を放送する。
惇忠(田辺誠一)は自らの手で攘夷の口火を切ろうと、横浜の外国人居留地の焼き討ちを発案。心を動かされた栄一は、武器や仲間を集め始める。
一方、謹慎を解かれた慶喜は将軍・家茂(磯村勇斗)の後見職となるも、島津久光(池田成志)らから「一刻も早く攘夷の決行を」と迫られる。
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