――吉沢さん自身、心理戦を描いた作品はお好きなんですか?
そういうミステリーとかは、あんまり見ないんです。だから、この「トモダチゲーム」の原作もやらせていただくまでは知らなくて。やらせていただくということで読んだんですけど、ハマっちゃいました! 読みながら、犯人は誰なのか?とか、裏ではどんな事が行われているのか?とか、結末とかを想像するんです。僕だけじゃなく、見る人もそう思いながら見ると思うんですけど、ことごとく裏切られる感じというか、そっちだったの!?っていう瞬間がすごく多くて、ドキドキしながら原作は一気に読んじゃいました!
――読んでる時はファン目線だったと思いますが、ふと自分で演じると考えた時に見方は変わりましたか?
難しそうだなと。友一ってこのゲームの空間に飲まれているようでいて、実は彼が空間を支配しているというような役なので。どこまでが嘘で、どこまでが本当なのか、彼自身も分かりづらいというか…。追い詰められたような表情をしてるけど、実はそれも計算の内というような部分がすごく多かったりするので、そういうのはやりながら監督と、どこまで知ってるんですかね?とか相談したりしていました。友一がこの状況をどこまでつかんでいて、どこからが素の表情なのかっていうのが、やっていて結構難しかったです。
――そんな友一の魅力は、どんなところだと思いますか?
友一ってどんな人間だろう?って考えた時に、正直分からなくて。こういう人間だ!というのがないと思うんです。それぞれに全然違う顔ができるし。だから、こういう人間!というものはないけど、いろんな人間性を持っているというか、誰にでもその場に適した顔ができるというか。頭の回転もすごく速いし、賢いし。多分、彼の中の全部が本当の部分なんだろうけど、それが嘘にも見えるし、本当に分からないミステリアスな人だなというところが、彼の魅力だなと思いました。
――友一も含めた主要登場人物5人の中で、吉沢さんはどの人に近いと思いますか?
どのキャラにも近くないと思います(笑)。でも、しいて言うなら友一ですね。自分の中のドス黒い物を隠しているというか…彼の場合は出てきちゃうんですけど。彼のその部分が出てこないと、この物語が進まないので(笑)。そういう、自分の奥底にある物は誰にも見せずにいる感じっていうのが、僕と似てるなというか。僕も軽い悩み事とかは簡単に人に話しちゃうんですけど、本当に自分が悩んでいる事とかは家族にも言いたくなくて、誰にも言わずに自分の中でどうにか処理したいと思うので、そういう部分は似てるのかなっていう気がしますね。
――撮影はもう終わっていますが、現場の雰囲気はどんな感じでしたか?
この5人は仲良かったですし、毎日朝早くから夜中までの撮影だったので、合宿みたいな感じでした。撮影でずっと一緒にいたので現場にいる時も、控室で待ってる時とかも、くだらない話をしたり。でも、みんな芝居に対して真面目なので、やる時はちゃんとやるし、ずっと撮影だったから時間がない中でセリフを入れたり、ちょっと空いたら本読みしたり、緊張と緩和のバランスがしっかり取れているチームで、とても居心地が良かったです。
――そんな素敵なメンバーだったら、また同じメンバーでやりたくなりますね。
うん、楽しかったので、やれるならやりたいですね。
――では、最後に作品の見どころを教えてください。
「トモダチゲーム」のドラマ版は、それぞれの登場人物の裏の顔が若干垣間見える瞬間というか。こんな状況に追い詰められて、それぞれがすごく動揺する中、誰しもが持っている人間の汚い部分というか、裏の顔…裏の顔というか、そっちが本当の顔なのかもしれないですけど、そういう顔が垣間見えます。
人間の汚い部分や奇麗な部分が出てきたり、引っ込んだりっていうのが繰り返される状況で、誰が嘘をついていて、誰が本当の事を言っているのかが全く分からない状況に、どんどん入っていきます。見る人も「誰が犯人なんだろう?」とか思いながら見ると思いますが、その時のハラハラ、ドキドキ感といったスリルを楽しんでいただけたらいいですね。
あとは、友情。どれだけ汚くても、友情の重さというか、こういう状況だからこそ友情が試された時に、お金じゃなくて友情を取れるかっていう部分です。普通に生きてたらこういうゲームにさらされることはないですけど、でもそういう友情や人間の汚い部分っていうのをリアルに描いている作品だと思うので、見ながら「自分はどうなのか?」とか感じていただけるようであれば嬉しいです!
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