高畑と尾野の二人とは共演シーンがなかった菅野。「試写で見せていただいて、二人のお母さんがすごいし、引き込まれました。見るのにパワーが要る映画なので、自分がえぐられるような力強さがあるんですけど、変な話ですが、見終わった後は癒やされるというか、前を向く力をもらえる映画だと思いました。コロナ禍でフェイスシールドをしながらの撮影でしたし、ホントに大変だったね。お会いしたら『お疲れ様でした』って言いたかったんです」と言って、高畑と尾野に向かって「お疲れ様でした!」とねぎらいの言葉をかけた。
今回の役を演じて気付いたことを聞かれると、「以前は、親子の姿を見て、『ほほ笑ましいな』って思ってたんですけど、『いや違う! これは一日のほんのわずかな時間なんだ』って。子どもが産まれたから母親になって、父親になって当然でしょうって先入観があったんだけど、実際はこんなに大変なことをしているのに誰にも何もほめられない。なんてひどいんだ! ツラいな!って。原作の小説の中で『子どもが産まれてから今まで、良かったこと、悪かったこと、どちらが多かったですか?って聞かれたら、悪かったことの方が多かったかもしれない』っていう一文があって、それにすごく共感して、それをこの映画で表現できればと思って演じてました」と熱く語った。
最後は「物語の持つ力が人を励ますことを、今の状況であらためて感じていますので、公開日を迎えましたら、お母さんが旦那さんを誘って映画館に行ってもらえたらいいなと思っています」というメッセージで締めくくった。
映画「明日の食卓」は5月28日(金)全国ロードショー。
◆取材・文・撮影=田中隆信
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