人気作家・河野裕の小説を、前・後篇の二部作で映画化。不思議な能力を持った人々が住む町・咲良田(さくらだ)を舞台に、野村周平演じる“記憶保持”の能力を持つ高校生・浅井ケイと、世界を最大3日分巻き戻せる“リセット”の能力を持った春埼美空(黒島結菜)が、亡くなった同級生を蘇らせようとする青春ミステリーだ。
野村「浅井ケイと春埼が一緒にいることで、“リセット”が可能になるという設定なんですが、時間軸が複雑すぎて、最初に台本を読んだときは難しくて理解できませんでした…。それに、これまでの記憶を全部覚えている浅井ケイもだけど、登場人物がみんな人間離れしていて(笑)。ある意味、非現実の世界を無理やり現実に落とし込んだような物語なので、そこは割り切って、あまり深く考えないで撮影に入りました。でももし間違っていたとしても、誰かが教えてくれるだろうと(笑)。なので、時間軸に関しては、監督の指示を受けながら演じていく感じでしたね」
頭脳明晰でリーダー的なカリスマ性のある浅井ケイ。彼の話す言葉はどこか文学的で、セリフの量も他のキャストに比べて圧倒的に多い。
「浅井ケイはクールなのによくしゃべるという設定で。現実にはそんな人、あまりいないですよね(笑)。だから、本当にセリフの数が膨大で。現場では『何で俺が他の人の能力まで説明しないといけないんだよ』って言ってました(笑)。しかも、難しい漢字が多いし、8ページもの長ゼリフもあって(笑)。とはいえ、長ゼリフはこれまで経験がなくて、一回やってみたかったんですよ。なので、一人で部屋にこもって死んだ魚の目のようになって必死に覚えたんですけど、長ゼリフはもう一生やんなくていいかな(笑)。それぐらいセリフに関しては本当に大変でした」
浅井ケイの“記憶保持”のほか、記憶を操作したり、ものを消したり、さまざまな能力が登場する本作。自分ならどの能力を手に入れたい?
「意外とどれも使えないんですよね(笑)。記憶保持はセリフ覚えには便利だけど、全てを覚えていなきゃいけないのはつらいですよね。あと、“リセット”も結局、記憶保持できる人がいないと意味がないし、うそを見抜く力も見たくないものまで見えそうでイヤだな(笑)。逆にステキだなと思うのは、声を届ける能力。遠く離れていても、伝えたいことを直接相手に伝えられますからね。でも、ロックをかけられる能力(ものや人間を動かなくする能力)は意外といいかも。自転車を止めるときに便利だし、楽ですよね。絶対に盗まれることがないわけだから(笑)」
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