――生田さんは、ずっとコゼットを演じていて、今回初めてエポニーヌを演じられますが、葛藤などありましたか?
生田:光栄なことに、今までずっとコゼットっぽいと言っていただいていたので、特にそのイメージがある分も、最初はすごく不安はありました。でも、稽古場でキャストの方々が、「エポもいいね」と言ってくれたり、「最初からエポやってた?」という声を聞けるようになって、そのおかげで「この方向でいいんだ」と進める勇気をもらえた感じがします。
――ピュアなコゼットから、180度違うエポニーヌは汚れた印象もありますが、自分の中で共通点や共感できるところはありますか?
生田:エポニーヌは強いという印象がありますけど、強いから強いんじゃなくって、傷付かないために弱さを隠して強くいようとするとか、生きていくために強くいなきゃいけないとか、そういうところは誰しも共感できるのではないかなと思いますし、私もその強さの中にどれだけ複雑さを混在させられるかを意識して試みてます。
――六角さんは今回から参加されますが、今の思いはいかがですか?
六角:他のキャストの方たち、そしてスタッフの方たちにいろいろと助けを頂き、このプレビュー公演をクリアしてきたんですけれども、全てが新鮮でしたね。僕は、帝国劇場に立つのが初めてだったのですが、この大劇場での拍手を体で受け止めたときに、非常に感動を味わいました。
それと同時に、人々が、自分の心を非日常空間に訪ねていって動かすということは、決して不要不急ではないというか、必要なことなんだ、生活の一部なんだと強く感じました。だから、人の心を動かすという事に対して、一つ役目を持っているという事に誇りを感じます。
――「レ・ミゼラブル」に出ることになった経緯を教えてください。
六角:僕は、ミュージカルというものを全く知らないんですよね。お芝居の世界っていったら、ストリートプレイもあるけど、ミュージカルもあるじゃないですか。自分が本格的なミュージカルで歌ったりしたときに、どういうふうにミュージカルというものを捉えられるんだろうかと、体で確かめてみたいという気持ちがあったんです。
じゃなかったら、「ミュージカルはどう」だとか「ミュージカルの場合」なんて言えるわけがないじゃないですか。自分の中にそういう要素がないと、芝居について思いを馳せられないという気持ちがあったのと、来月で59歳になるんですけど、還暦超えて果たしてそんなことができるだろうかと考えたときに、頭も体もちょっとだけ融通がきく50代の時に、思い切って試してみようと思い挑戦しました。
――オーディションですよね?
六角:はい。ですから、受からなかったらそれまで、ということで諦めたんですが…でも、運がよかったんですかね。
――合格の理由はどう聞いていますか?
六角:いや~、分からないですね~。
――そういうのは聞かされないんですか?
六角:何かはあったんでしょうけども、、いや~分からないな、そういうことはな~。
――ご自分では何が評価されたと思いますか?
六角:僕が言うのも口幅ったいですけれども、長い間生きてきた中で培ってきた味わいなのかもしれませんね(笑)。
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