どうしようもなく華のある俳優・内野聖陽。言い換えれば、色気。
「ふたりっ子」当時は細くて油っけがないのだがそれでも沸いてくる色気は、その後、どんどん溢れてきて、お父さん役で朝ドラに戻ってきても現役そのもの。
主人公の百音が憂いを帯びがちなところを、耕治が全力で明るくしている。家業である水産業を継がなかったことに後ろめたさもあるけれど、彼は彼で生きること、家族を守ることを真剣に考えているのである。それが内野の演技からひしひし伝わってくる。
「おかえりモネ」の脚本家・安達奈緒子が内野の魅力をよくわかって耕治を書いているように感じる。というのも、安達が脚本を手掛けた連ドラで、劇場版公開も待機中の「きのう何食べた?」で内野は主演していたから。
「モネ」で気象予報士・朝岡を演じている西島秀俊とダブル主演だった。ふたりが演じる恋人たちのやりとりが素敵過ぎて大人気となり、映画化までされることになった。
内野が演じる賢二(ケンジ)はおしゃべりだけれど繊細でいろんなことを察することのできる優しい人物。内野は身体の動きの細部まで原作漫画に近づけてキュートに演じていた。
「おかえりモネ」の耕治のように子どもを導いていくザッツお父さんの役柄とは違うようで、内野が演じる役は皆、熱いハートをもっていて、愛の深さゆえに弱くもなり強くもなる、そんな愛すべき人物ばかりである。
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