――「青天を衝け」への出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?
以前、大河ドラマ「花燃ゆ」(2015年、NHK総合ほか)に出演させていただいて、その時は13歳で今は19歳なのですが、10代の間に2回も大河ドラマという大きな作品を経験させていただけて、とても贅沢なことだなと感じています。
オーディションが昨年の2月頃にありまして、昭武役として決定のお話をいただいたのが、昨年の10月ぐらい。日にちがあいていたこともあり、正直受けた事も忘れていたので、出演が決まった時はとても驚きました。
――演じる昭武はどのような人物でしょうか。
徳川昭武という人物を知らなくて、役をいただいてからたくさん調べました。
昭武の写真を拝見した時に、気高い人だなという印象を受けたので、演じるときには“気高い空気をまとった動き”や、“鋭く柔らかい人物”であることを表現しようと思いました。
昭武は現代だと、中学生ぐらいの年齢で、日本を背負ってパリに行くという大役を任されます。幼いですが、慶喜が任せようと思えるほど、昭武にはそれ相応の品位やカリスマ性があったのではないでしょうか。慶喜が昭武に日本の代表としてパリ行きを任せたいと思えるような話し方や、たたずまいを演じる上で大切にしたいなとお話しをいただいたときに思いました。
――13~14歳でパリに行くというイメージはどのように膨らませましたか?
ただパリへ行くということではなく、日本を背負って行くということ、これまでの日本の歴史も背負ってパリ万博に向かうということを意識しました。
「日本はこういうところで…」というのを皇帝・ナポレオン三世やフランスの方たちに伝えないといけないので、現代の13~14歳の人たちが感じることのないような圧力もあったと思います。
ですが、昭武はそれをも凌駕して、押しのけて堂々としていた人だと思うので、昭武の強さや覚悟をイメージしながら演じました。
――板垣さんご自身が、もし昭武のようにパリへ行くとなったら…
自分だったら考えられないですね。
国を背負ってパリに行く…僕には絶対ムリだなと思いながら演じていました。
――昭武が13~14歳でパリに行くのと、板垣さんが「花燃ゆ」に初出演したことが同じくらいの年齢で、通じ合っているなと感じたのですが、当時のことを振り返っていかがでしょうか?
今回「青天を衝け」で現場に入った時は、「花燃ゆ」の撮影を思い出して、懐かしいなという気持ちになりました。
大河は関わる人の数も多いですし、現場の空気感もとても独特なものがあるのですが、当時は幼かったこともあり、あまり緊張してなかったと思います。今回の方がより責任を感じながら演じることができていると思います。
そして、「花燃ゆ」の時は大河ドラマという作品の大きさもそうですし、せりふや所作なども、それまで演じてきた役とは違っていたので、とても新鮮だったことを覚えています。
13~14歳のころに大河ドラマに出演できたことは、大きな経験になったと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)