――昭武を演じる上で準備したことはありますか?
昭武は、身分が高い役どころなので、決まった所作が多くあります。
ですが、その中でも自然に役を生きていかなければいけないので、そういう所作や動きを、自分の中で噛み砕いて、“昭武ならどのように動くか”を常に考えながら演じました。
台本を噛み砕きながら読み進めることは、やはり時代劇や大河ドラマならではだと思います。
――今回、昭武は“プリンス”と呼ばれますが、演じられる上で普段から“プリンス”を意識されていましたか?
日常生活は、“プリンス”というイメージから遠いです(笑)。
なので、撮影が近くなると、昭武をイメージして、歩き方などは意識していました。
――昭武がパリにいる間に大政奉還が起こります。その時の昭武をどのように演じましたか?
パリへ行く前に、慶喜から「あらかじめ事変が動いても…」と言われる場面があります。その時から頭が良い昭武は、“何か起こるだろうな”ということを、予見していたと思います。
そして、いざ日本から離れ、遠い異国の地で、情報が入ってくるのも何カ月かラグがある中で、日本の状態を知り、とても衝撃的だったのではないかと考えます。
でも、昭武はそんな混乱の中でも「自分はこれからどう動いていくべきか」、「どうしていかなければいけないのか」ということに考えを巡らせていたと思います。そのような昭武をイメージしながら演じました。
――兄である慶喜を演じる草なぎ剛さんの印象はいかがでしょうか。
慶喜を演じられているときの草なぎさんは、目の奥に闘志を感じる時もあれば、表情が優しく、柔らかい雰囲気を感じる時もあります。
斉昭(竹中直人)という厳格な父がいて、柔軟な慶喜がいて、その対照的な2人のコントラストも、昭武の考え方に影響を与えていると思います。昭武は、慶喜の柔軟さをとても尊敬していて、昭武は“自分もこうありたいな”と感じていたと思います。
いざ、草なぎさんと芝居をさせてもらった時には、慶喜を尊敬する昭武の気持ちが自然と湧き、草なぎさんにも慶喜にもより敬愛の念が高まったのを覚えています。
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