この先、和楽器バンドとして挑戦したいことを聞いたところ、町屋は「常に最先端でいること、なんならシーンをつくっていくこと」と答え、さらにこう続けた。
【町屋】より多くの人に聴いてもらいたい。いいと思ってもらいたい。いいと思ってもらえる作品をつくりたい。今、和楽器バンドというロックバンドはJ-POPシーンをメインに活動していますけど、これまでいた場所に留まることも簡単にできたと思うんです。例えば、メタルってジャンルがすごく細分化されていて、バイキングメタルの人たちは海賊の歌を一生歌い続けないといけない。アルバムの1曲目から最後まで海賊の歌で、その次のアルバムもずっと海賊の歌を歌う。僕らもそうやってひとつのジャンルに留まることは簡単にできるんですけど、シーンに合わせて変わっていくことはすごく難しい分、やりがいもあるんですよね。
【蜷川】和楽器バンドのメンバーはみんな自分の思いやキャラクターを強く持っていて、特に和楽器隊(箏・尺八・津軽三味線・和太鼓)の人たちって自分の楽器のフィールドに対する特別なこだわりを持っていないんですよ。だからこそこのバンドに融合できていると思います。多数派のファンの人たちや世の中の流れが求める音楽をできる限りやってきているし、これからもそういうことに挑戦しつつ、社会と一緒に融合できるような、一緒に生きていけるような道を模索していくべきなのかもしれない。
(取材・文 / 阿刀“DA”大志)
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