また、「印象に残っているシーンは?」との問いには、柳楽は「海のシーンですね。とても難しいシーンで、陽の関係や、海に入ったりするので衣装などが(濡れてしまうので)一発OKじゃないと駄目という緊張感がありました。映画の撮影現場なんですけど、緊張感は舞台の本番の初日前みたいな。実際本編を見て、すごくいいシーンになったと感じたのは、あの緊張感があったからだと、達成感としてすごく印象に残っています」と語った。
さらに、「春馬くんとは10代前半くらいから一緒にオーディションをしたりするような仲だったんですけれど、戦友というか、ライバルというか。今回は兄弟という関係で関わらせていただいて、春馬くんがこの作品に愛を持って参加してくれたように、僕自身も、参加したメンバーみんなで、春馬くんをこれからもずっと愛して大切にしていきたいなと、そう思える大切なシーンです」とコメント。
有村は「柳楽さんも春馬さんもお仕事をしたことがあったので、自然と幼なじみという関係性ができていて、現場もすごく穏やかでした。作品は戦時下という厳しい環境にありましたが、撮影の合間はすごく笑顔も多かったかなと思います。」とし、「縁側で未来について語り合うシーンがあって、もしかしたら(修と裕之と世津の)3人で会える最後の夜かもしれないというとても切ないシーンではあったのですが、未来に対する望みの詰まったシーンになったかなと思います」と印象に残るシーンを語った。
また、「台本にはなかったのですが、言葉じゃないもので伝えたいなと思って、2人の手をにぎらせてもらったんです。3人の空気感が穏やかでほほ笑ましいシーンになってよかったなと思います」と明かした。
それに対し黒崎監督は「有村さんは普段とても理知的な雰囲気を醸し出していらっしゃる方で、でも演じる時になると、時としてびっくりするような本能的なお芝居をされることがよくあるんです。それをよく存じてましたので、あまりびっくりはしませんでした。“きたな”と思いました」と笑顔。
また、「実在する人物を演じることになってどうでしたか?」との問いに、國村は「実在の人物をコピーするのではなく、あくまでも脚本の世界の中の住人を自分の中でイメージするようにしていました」と答えた。
それを受け、黒崎監督は「当時の日本の学問を引っ張っていた代表的な学者でもあるので、そこはぜひ実在の人を実名で描かせていただきたいというふうに思いました。ただ、この映画は非常にコントラバーシャルな危険な部分もある映画であると覚悟しています。その中で、実在の名前を背負って演じていただくことの覚悟が必要と思い、國村さんにご提案しました。その時國村さんが、『それを映画でやらないと意味ないだろう』とパッと答えてくださって、そのこともまた僕たちを勇気づけてくれました」と感謝を述べた。
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