昭武に大きな影響を与えた一人が、兄・慶喜だと読み取っていた板垣。草なぎ演じる慶喜を前に、身の引き締まる思いで撮影に臨んでいた。
「父親(斉昭[竹中直人])は頭の固い人じゃないですか。でも、慶喜は柔らかい考え方を持っていて、そういうコントラストがある中で、兄の存在は昭武が物事を学ぶモチベーションになっているはずだし、ある種の憧れというか、自分が目指す姿だと思っていたんじゃないかと解釈しています。草なぎさんが演じられている慶喜は物腰が柔らかく、表情も優しいんですけど、目の奥に闘志が宿っている感じを受けて、昭武としての慶喜への尊敬の念が一層高まる感じがします」
7月11日に放送された第22回では、昭武一行がパリへと到着。パリ万博へ足を運び、ナポレオン三世に謁見するなど、外交に励む。昨今の情勢により、パリのシーンはほぼグリーンバックでの撮影が行われ、CGを駆使した映像になるという。
「グリーンバックでの撮影は印象に残っています。中でもナポレオンとの謁見のシーンは、絢爛(けんらん)な宮殿で、たくさんの人が並んでいる中、正面にナポレオンがいるという空間を昭武は歩いていくわけで、映像を事前に見せて頂いたんですけど、大勢の人の前に立つ緊張感だったり、呼吸だったり、足音が響いたりというような、実際にはない環境を全部自分の中で想像しなければならなかったというところで、求められる集中力はありました。昭武にとっては大事な場面の一つですので、完成した映像を見るのが楽しみです」
パリでは、何人もの従人がいる中で、若い昭武が頼りにしたのは渋沢栄一(吉沢亮)だった。遠い異国の地で、昭武と栄一は絆を深めていく。
「慶喜の柔らかい考え方に影響を受けていた昭武は、栄一が慶喜や自分に通ずるような柔軟な考え方を持っていることを知るんです。そして、大政奉還の知らせを受け、自分がどうするべきか考えを巡らせているときにも、栄一の考えに心打たれます。セーヌ川沿いを歩きながら、昭武が栄一に正直な思いを吐露するシーンがあるんですが、個人的に好きなシーンです。身分を超えて昭武が栄一に心動かされていくところは、見どころになると思います」
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