まさに昭武と栄一のように、板垣も“座長”吉沢に信頼を寄せている。
「今までいろんな作品を拝見してはいたんですけど、お会いして一緒に芝居をさせてもらって、目がすごくきれいだなと思いました。初めて見る世界に目を輝かせるような子供のような澄んだ目をされているときもあれば、鷹のような鋭い目をされているときもあって、それを間近で感じられたのはすごくうれしかったです。芝居以外のところでは、僕は撮影中に情報番組のパーソナリティーをしていて、朝2時半起きだったんですけど、吉沢さんも以前やられていたので、心配して声を掛けてくださったんです。本当に優しい方だなと思いました」
慶喜に、栄一に、導かれながら成長を続ける昭武。そんな昭武を演じることが、板垣自身にとっても刺激になっている。
「資料を見ると、昭武が小さい頃に書いた習字がすごくうまいんですよ。パリに行ったときも、フランス語をめちゃくちゃ勉強していて、帰りの船ではフランス語で日記を書いていたそうです。とにかく昭武は学ぶ姿勢がすごいと思っていて、そういうところに僕自身が感銘を受けています。作中ではフランス語を話すシーンもあるので、昭武の名に恥じないようなクオリティーのものを出せるよう頑張っています」
取材・文=Rum
※「草なぎ剛」のなぎは、弓へんに前の旧字体その下に刀が正式表記
フランスからの借款は消滅したが、篤太夫(吉沢)が当面の資金繰りに奔走し、昭武(板垣)は留学を続けていた。篤太夫らは髷(まげ)を落とし、刀も外し、洋服を着ることに。
同じ頃、日本では西郷(博多華丸)が軍備を整え、岩倉(山内圭哉)と大久保(石丸幹二)が王政復古への動きを進めるが、慶喜(草なぎ)は先手を打って政権を帝に返上してしまう。一方、血洗島では篤太夫の養子になった平九郎(岡田健史)が、江戸に向かおうとしていた。
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