中川大志が明かす、精神的につらい役柄を演じる理由「これまで経験したことのない空気を肌で感じた」

2021/07/22 07:15 配信

映画 インタビュー

中川大志撮影=カノウリョウマ/スタイリスト=徳永貴士/ヘア&メーク=堤紗也香/衣装協力=ザ ヴィリディアン

現役獣医学部生がサークルを立ち上げ、動物保護活動を行った実話を基にした映画「犬部!」が、本日7月22日(木・祝)に公開される。

「台本には描かれていないこともたくさんあった」

――獣医師になるためには動物の生体を使った実習が当たり前とされていた当時、彼らは異端の存在だった。そんな中、超の付く“犬ラブ”な主人公・花井颯太(林遣都)と共にサークルの中心的メンバーである柴崎涼介を演じたのが中川大志だ。

今でこそ里親募集の情報をネットで広めたりできますが、当時はSNSがそんなに発達していない時代だったので、その中で里親募集や譲渡会を開くことは大変だったと思います。しかも、主人公の颯太は学生でお金がないにもかかわらず、“犬部”のサークルを立ち上げる前も、行き場のない犬たちを自宅で保護しているんですよね。それこそ、僕が演じた柴崎も動物が大好きで、少しでも多くの動物たちの命を守りたいと思っている。そんな中で颯太と出会い、彼の「生きているものは全部助ける」という思いに共感したからこそ、親友となり、相棒的な存在になっていったんだと思います。

――そんな動物への思いが重なり、共鳴し合う2人だが、卒業後の進路で選択したのは全く別の道。柴崎は“殺処分”の根本を変革すべく動物保護センターに就職し、颯太は少しでも身近にある命を救いたいと保護活動を行う町の獣医師となる。

この作品は颯太と柴崎の16年間という長い時間を描いた物語なので、当然、台本には描かれていないこともたくさんありました。そこは遣都さんと話し合いながらやらせていただいたのですが、大学の卒業式の後、2人が自分の進む道について話をするシーンは特に印象に残っています。もちろん、2人とも仲たがいしているわけでなく、柴崎は颯太のことを誰よりもいい獣医師になると思っているし、颯太もまた柴崎に対して同じ思いを抱いていて。その2人が互いの覚悟を話すところでは、若さ故に素直な言葉で送り出せていないのが、歯がゆいですよね。だからこそ、柴崎は胸を張って「これを実現できた!」と言えるまで颯太には会えないと思っていたのかなと。多分、颯太も同じ気持ちだったと思います。

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