3月25日(土)、26日(日)に放送される仲間由紀恵主演の「二夜連続ドラマスペシャル アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』」(テレビ朝日系)。
アガサ・クリスティの名作を日本で初めて映像化した同ドラマは、絶海の孤島で10人の男女が謎の声により過去の罪を暴露され、さらには不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく物語だ。
今回、原作にはないオリジナルの役柄である、警視庁捜査一課の警部・相国寺竜也を演じる沢村一樹に、役どころや撮影現場でのエピソード、見どころなどのインタビューを行った。
――オファーを受けたとき、どう思いましたか?
お話を頂いたときは、もう素直に「やった!」って思いました。ただ、「これ結構、プレッシャーを感じないといけない役なんだな…」と台本を読んでから事の重大さを実感して、喜び半分と、どうしようという不安でいっぱいでした。
――台本を読んだとき、どう感じましたか?
同じ作品でも第一夜と第二夜は違うテイストの作品になっています。視聴者の方目線だと、第一夜は島に来た10人が殺されていくところを目撃して、「犯人は誰だ!?」というところで終わります。
第二夜は、じっくりとなぞ解きをしていって、真相に迫っていく。原作が80年くらい前の作品だと思えないほど、色あせることなく、台本を読んでストーリーも面白いと思いましたし、原作を読んだことがある方でも楽しめる作品になっています。
――沢村さんが演じる相国寺はどのような役柄ですか?
相国寺は、普通の刑事というよりは、特殊な事件が起きたときに呼ばれる人なんだろうなと考えました。猟奇的な事件とか、そういう時に現れるような相国寺という男は、普段は何をやっているんだろう?と考えて、強めのキャラクターでいこうと思っていました。
ただ立っているだけなのに、なぜか強烈な印象を与える多々良(荒川良々)が相棒なので、多々良を追い越すキャラクターじゃないと、彼とかみ合わないかなと。笑ったり、怒ったりという感情を出さずにずっと演じていたので、横に彼みたいな変わったキャラクターがいるだけで、いい意味で中和されているのかな。
――今回は眼鏡をかけていて、ビジュアルも特徴的ですね。
これまでも眼鏡をかけた役柄はありましたが、相国寺がフレームの奥で何を考えているのか分からない印象を与えたいと思い、眼鏡をしています。今回は黒縁眼鏡ですが、今はやっていますよね(笑)。それならちょうどよかったかなって。あとは、テレ朝の名物プロデューサーに寄せていくって感じで(笑)。
――特殊な撮影だったと思いますが、振り返っていかがですか?
撮影は、実際に船に乗って島に渡るところから始まり、僕の場合は台本通りの順番でホテルへと入りました。ホテルに入った時に、物々しさを感じて「あぁ、ここで10人が殺されたんだな」と率直に感じました。
スタッフさんたちは、10人が殺されていく模様を見ていたので、現場が「さぁ、刑事が乗り込んできたぞ!」と僕らの気持ちを奮い立たせる空気を漂わせていたので、演じていて気持ちがよかったです。僕は、実際には相国寺のように謎解きはできないですけど、相国寺は次々と解いていくので、楽しかったです。
――沢村さんにとって、印象深い役になりましたか?
そうですね。なので、何か難事件が起きたら、来年もまた呼んでいください!(笑)
――和泉(聖治)監督の現場はいかがでしたか?
役者を信じてくれいますね。だからこそ、逆に「こんなに信頼されていいのかな」って不安を感じました。1カット長回しなので、ちょっとでも間違えてしまうと修正もできない。普通の撮影より集中力が必要ですし、プレッシャーも感じますが、やっていて楽しくて、達成感もありますよね。
特に、長回しだとどれくらい役が自分に染み込んでいるか、確認できているととても楽しいです。
――相国寺を“一つのことが飛び抜けてできる人”をイメージしたとのことですが、沢村さん自身が飛び抜けてできることはありますか?
下ネタ(笑)。 なんでだろうなぁ、僕が「小指」というだけで下ネタに聞こえるみたいです(笑)。あと、「耳たぶ」とか。年月をかけて積み上げてきたキャラクターに、ちょっと乗っけてあげるだけで、当たり障りのない下ネタをすば抜けて言えます(笑)。
――今、はまっていることはありますか?
暇さえあれば家具のチェックをしています。今は、ビンテージ家具に興味があって、ずーっと見ています。これ、中毒だなって(笑)。先日、リサイクルショップで一週間ほど迷っていたものがあって、ちょっと高いなと思っていて悩んでいたんですけど、買おうと決めてお店に行ったら店員さんが目を丸くしていて。
「今、今、売れたところなんです!」って言うんですよ。本当に悔しかったです! でも、3カ月後には全く違うことにはまっているかもしれないですけどね(笑)。
あとは、ネコですね。僕に全然懐かないんですけどね(笑)。ネコのその時の気分を見てから触って、すごく気を使っているんです。2日に一回くらい僕のところに来てくれて、その時がだいたい映画を見ているときで、いいシーンのときなんです。
しょうがないなーって思って、映画を止めて撫でまわして、そろそろ映画みたいなと思ってネコを見たら寝ていたりして、かわいいんです。
――では最後に、作品の魅力を教えてください。
なかなかこれだけの俳優さんたちが集まることのない作品です。キャスティングはもちろんですけど、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」は名作中の名作。だからこそ、若い方に見てほしいですね。
ベテランの方のお芝居を見るのはとても楽しいと思うんです。あとは、ミステリーの醍醐味(だいごみ)というか、いつもの2時間ドラマとは全く異なる時間と、手間をぜいたくに使っています。
大げさな言い方ですけど、僕はこれまでたくさんの謎解きをしてきましたが、これまでの謎解きはこのためのものだったのかなと、そう思える作品です。
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