2021/08/09 09:30 配信
罪とは何か。太一が犯したこと自体は罪だが、何が本当の意味でいけなかったのか。死刑に処されるべきなのか。彼の心の内を想像し、その答えを探す日々でした。正直、太一の妻や子どもたちのことを考えると、死にたくないという思いにも至り、役を演じる上では、さまざまな葛藤がありました。
戦時下の出来事を“しかたなかった”のことばで片付けては、すべてが過去になってしまいます。しかし、本人たちにとっては死ぬまで変わらない現実だったのではないかと思います。だからこそ、私たちはその思いを受け継ぎ、この先も未来永劫、伝えていく必要があります。皆さんにも「一度きりの人生、もっと出来ることがあるのではないか」「私はこんな人間になりたい」など、このドラマから少しでも何かを感じていただけたらうれしいです。
戦争というのは理不尽なことが平気で起こる中で究極の選択を迫られる。しかと早急に答えを出さなければならない。どちらを選択しても苦しみを伴う。正解がない状況の中で人は迷い悩む。しかしそこで考え抜いたことが生き様に反映される。美学と言ってもいいかもしれない。究極の状況で悩み抜いた経験は美を生み出す。苦渋から産まれた美をできるかぎり筆で表現しようと試みた。平和を祈りながら。
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